鎌倉殿で大ブレイク “時政パパ” 坂東彌十郎 知られざる“北条家”の絆を明かす
「今年1年、どんな年だったか」を聞くと真っ先に大河ドラマの話を始めた彌十郎さん。「初めての経験ばっかりでした」という撮影現場では、主演を務めた小栗旬さんが出演者やスタッフ全員に気を配る姿に感心したと言います。映像作品にあまり慣れていないという彌十郎さんは「NGではないけど“これでOKなのかな~”って自分で迷っていると、小栗さんが後ろにすーっと来て“もう1回やり直しても大丈夫ですよ。やるなら今ですから”って気を遣ってもらった場面が何回かあった」といい、「“父上、父上”って言ってくださって、撮影が終わってからたまにメールのやりとりもして、息子が増えたような感じでいますね」と目を細めました。
一番印象に残っているのは、撮影が始まってすぐに迎えた父の日。1週間ほど前に、控室で“北条家”の俳優陣から「父上は普段何を飲むんですか?」と聞かれ「ワインが多いかな~」と雑談をしたという彌十郎さん。すると家族全員がそろうシーンの撮影後、息子・宗時役の片岡愛之助さんに「父上、ちょっと来てください」と呼ばれた場所に向かうと、家族が勢ぞろいしていてワインをプレゼントしてもらったといいます。「これでメロメロですよ。一気にみんな打ち解けた感じですね」と“家族”の絆が深まるきっかけになったと明かしました。
■クランクアップでは粋なサプライズ “赤ん坊”のように大号泣
普段から涙もろいという彌十郎さんに、最近泣いてしまったことを聞いてみると「今までの人生にないくらい大泣きしたのは大河のクランクアップです。小栗さんも小池(栄子)さんも“父上、赤ん坊でしたよね”っていうんです」と話します。
最後の撮影は坂口健太郎さんらと4人のシーンでしたが、源頼朝を演じた大泉洋さんが駆けつけてくれたそうで「それだけでもうれしくてうるっと来ちゃったんですけど、大泉さんが“家族が来てるんで、会ってやってくれますか”って言うんですよ」と、大泉さんの言葉を不思議に思ったという彌十郎さん。すると、小栗さん、小池さん、宮澤エマさんの3人が、第1話の衣装を着てスタジオに現れたといい「“えー、今日いないはずでしょ”って言った途端に“うわーーーーー”って大声で泣いちゃって。自分でもどんな泣き方したか覚えてないんです。近年にないうれしさでしたね」と、喜びをかみしめながら振り返りました。
■歌舞伎でも“初めて”の挑戦「背中を押していただきたい」
2022年、新たな挑戦が多かったという彌十郎さんは、2023年の1月には歌舞伎座で上演される『壽 初春大歌舞伎』で、初めて『人間万事金世中』の主演を務めます。明治時代が舞台で、金に翻弄される人々の滑稽さや人間らしい愛きょうが感じられる喜劇で、「ちょっと現代っぽくも見えるし、テンポもいい。明治だから言葉もそこまでわからないものでもない。初めての方にも楽しんでいただけると思う」と太鼓判。「大河で興味を持ってくださった方はもちろん、民放のドラマを見てくださった方には是非見ていただきたい。次なる挑戦のチャンスをいただいたので、その背中を押していただきたいと思います」と語りました。