ジャーナリスト・安藤優子、海外の取材でひとめぼれ『サーブ 900 ターボ 16S カブリオレ』 愛車を振り返る
留学で培った英語力を生かして、キャスターやジャーナリストとして報道番組などで活躍している安藤さん。28歳の頃には、フィリピンでマルコス大統領の亡命をいち早く報じ、ギャラクシー賞を受賞しました。
■愛犬にそっくりな『フィアット 500L』
まず登場したのは、安藤さんの現在の愛車『フィアット 500L』。フィアット プントがベースのコンパクトビーグルです。外装について安藤さんは、自身が飼っているフレンチブルドッグと配色が一緒で顔がそっくりであると話し、「犬の名前がいっちゃんなので、通称“いっちゃんカー”。めちゃめちゃかわいくないですか?」と笑顔を見せました。
安藤さんは並行輸入で購入したそうで、「海の方に(海外に)家があって、その隣にこのイタリア車を輸入している会社の会長が住んでいるんですよ。この車ずっと乗っていらっしゃって“なんてかわいいんだろう”と思っていて、同じのが欲しいって言って」と購入した経緯を明かしました。
生まれたときから家に車がなかったことがないという安藤さんの父は、大学時代に自動車部に所属していたほどの車好き。「私がまだマニュアルに乗っている時に箱根に行く用事があって、ちょうど箱根の道が凍りはじめた頃だったので、蛇骨(だこつ)の橋の上の急カーブは何速で走って、エンジンブレーキをかけてブレーキを踏むのは最低限にしなさいとかこと細かに(書かれた)メモがギアのところに置いてあって。The 自動車部の父って感じ」と話しました。
また、「免許は16歳の時にアメリカのデトロイトで。留学していたので。どこに何をしに行くにも車がないとお話にならないんですよ。だから卒業の必修科目に運転免許が入っています。授業の一環なんです」と免許証を取得した当時を振り返りました。
■24歳の時にひとめぼれで購入した『マツダ ファミリア(5代目)』
原宿の歩行者天国で踊る『竹の子族』の全盛期だった1980年に登場した『マツダ ファミリア(5代目)』。コンパクトなサイズで広い室内空間を確保したことに加え、安定感のある台形フォルムなどが幅広いユーザーに支持され世界的な大ヒットとなった車です。
車を買うときは「すれ違ったのを見ておいて記憶してそれを探して乗る」という安藤さんは、赤の『マツダ ファミリア』にひとめぼれし購入。この車に乗っていた当時、テニスやスキーをやっていてアウトドアだったそうで、「物も入るし。とにかく私の行動の象徴みたいな車」とお気に入りポイントを明かしました。
この車に乗っていた24歳の頃は、既にテレビの仕事をしていた安藤さん。「中学も高校もホテルの隣なんですよ。だから、ずっとホテルに集まる外国の人たちを見ていたんですよ。 “世の中ってこういう人たちが動かしているんだ。いつか私もこういう人たちと一緒に働いてみたいからホテルに就職してみたい”って思っていた」と元々の夢はホテルウーマンだったと告白。
「その後留学して帰ってきて、そのままアメリカのコーネル大学のホテル学科に行きたかったんです。帰ってきたらあまりの私のアメリカかぶれっぷりに、親が“あと4年間(留学に)行くには許さない”と。 “これ以上アメリカに行きたいなら勝手にしてくれ”と言われて、留学費を稼がないといけないとなってアルバイトを始めたら、そこで声をかけられたのがテレビ局のディレクターだったんですよ。私が英語でお客さんと話しているのを聞いていて。アメリカに行くテレビリポーターを探していたんです」と明かしました。
■取材がきっかけで購入した『サーブ 900 ターボ 16S カブリオレ』
『ジュリアナ東京』が誕生し、ディスコブームが起きた1991年に加わった『サーブ 900 ターボ 16S カブリオレ』。個性的なデザインで、日本でも一時ブームになるほど人気を集めました。
全米にいる一代で起業した女性の社長を取材するという企画で、アメリカ・ユタ州を訪れた際に、取材した社長が雪が舞う中でこの車に乗って登場したのを見て、「この車はいったいなんだ!?絶対帰ったらこの車を手に入れる」と決心したと話しました。
また、過去の取材を振り返り、「クリントン元大統領にインタビューをする時に、知り合いの記者とお昼ご飯を食べていて、 “どんな人なの?”って私が聞いたら“会うとみんな好きになっちゃうんだよね”って言うんですよ。すごく緊張しちゃって、あんなに英語を勉強したのに全てが真っ白になっちゃって言葉が出てこなくなっちゃったんですよ。そしたら“あなたの英語を聞き取れなければそれは私の問題です”というような態度で接してくれたんです。 “会えば好きになっちゃう”っていうのがよく分かった。本当に人柄がいい人」と印象に残ったエピソードを明かしました。
一方、クリントン元大統領夫人・ヒラリー元国務長官とインタビューした際は、「挨拶をしようとしたら、向こうから駆け寄ってきてガバッと手を握られたんですよ。私があっけにとられている間に(私の)個人情報をたたみかけたんですよ。 “あなたのことを知っているわよ”っていうある種のマウンティング。そこで彼女はインタビューの主導権を握ったわけです」と振り返り、クリントン夫妻が好対照であったと振り返りました。
■留学中の思い出のアメ車『フォード サンダーバード(6代目)』
中国からジャイアントパンダが贈られ、パンダブームが巻き起こった1972年に登場した『フォード サンダーバード(6代目)』。大型化を繰り返した末の“最後の恐竜”とも呼ばれる史上最大のサンダーバードです。
高校時代にデトロイトに留学した当時、ホストファミリーの家は、門から玄関まで距離がある広大な敷地で、一人一台車を持っているようなお金持ちだったそうで、「ママは真っ白のフォード サンダーバードで、最初高校に挨拶に行く時にママにこの車に乗せてもらって。免許取ってからはママの車が一番好きだったので貸してもらっていました」と話しました。
海外旅行に行くときも、現地で運転するという安藤さん。「全然行ったことがないホテルに行こうとしていて、ずっと迷っていて電話もないから無理だねって言っていたら、突然山の中にポツンと公衆電話が出てきたんですよ。自分のお財布見たらサミットを取材したときのテレホンカードが出てきて、ホテルに電話をかけて最終的にはたどり着いたんですよ」とトラブルにあった思い出を振り返り、「誰かが運転してくれていたり、誰かガイドさんが付いていたらそんな思い出はない」とワクワクした表情を見せました。
最後に、安藤さんにとって車とは「冒険の相棒」であると明かし、「行き当たりばったりが一番楽しい。報道の取材なんて行き当たりばったり。予定調和は一切ない」と笑顔で話しました。
(6月15日放送のBS日テレ『おぎやはぎの愛車遍歴』を再構成)