TikTok14億回再生 『全方向美少女』を歌う乃紫にインタビュー「SNSが戦う場所なので」
自分自身の容姿を褒める“キャッチーな歌詞”が話題となっている『全方向美少女』。芸能界でも人気となり、NiziUのメンバーや、AKB48の柏木由紀さん(32)、お笑いコンビ・トレンディエンジェルの斎藤司さん(45)らも楽曲を使用した動画を投稿しています。TikTok内での楽曲総再生回数は14億回(所属事務所発表)を突破し、最近では韓国のアイドルにも広がりをみせています。
■総再生回数は14億回を突破 拡散ぶりは「計算通り」
楽曲『全方向美少女』が話題を呼んでいる乃紫さん。その制作は多岐にわたり、現在では作詞作曲や編曲だけでなく、映像制作にいたるまで、全てをセルフプロデュースして活動しています。
――SNSでの拡散ぶりについてどう感じていますか?
広がり方を割と見越して、計算して作った曲だったので、予想通りの広がり方です。
――曲を作るときにはどんなことを意識していたのでしょうか?
とにかく使いやすさです。今までの曲も皆さんの印象に残るようにキャッチーに作ったつもりではあったんですけど、“動画が回りやすい音源”というところにとにかく着目したのが『全方向美少女』が初めてでした。
――“動画が回りやすい音源”とは、どういうことですか?
みんながその曲で動画を投稿しているイメージができるかってことですね。「正面で見ても 横から見ても 下から見ても」ってスマホを動かすだけで簡単に動画が撮れるので、その動画を撮ってもらうためにこの歌詞にしました。
――『全方向美少女』の歌詞で意識したことはありますか?
SNSが普及したことでいろんな美の基準があって、自分の容姿とか自分自身に自信が持てなくなることもありますけど。現代の女の子たちには“自分なりの美しさを追求するしたたかさ”や“全てのネガティブなものを昇華させていく強さ”があると思っています。女性じゃなくても男性でも同じですけど、そういったモチーフで書きました。
■楽曲制作を始めてから1年半 親からは「そんなことできるんだ」
SNS世代ならではの戦略や、若者を魅了する音楽センスで注目される乃紫さんですが、楽曲制作をはじめたのは、わずか1年半前だといいます。
――音楽制作のきっかけは何でしたか?
音楽制作を始めたのが1年半前からで、大学の夏休みにたまたま作曲ソフトに触れる機会があって。「せっかく曲を作れるようになったからSNSに載せてみよう」っていう感じです。YouTubeとか見ながら、作曲ソフトでの作り方をまずは覚えて作り始めました。
――昔から音楽に興味はありましたか?
幼少期の時、親にピアノのレッスンに通わされたりとかで、強制的に音楽と関わらされていました。(レッスンでは)課題曲が出されて、それをクリアしたら次の曲に行けるよみたいな形式で。それが嫌でサボりまくってました。
――『全方向美少女』がバズっていることについて、家族からの反応はありましたか?
親は驚いてますね。(前まで)作曲とかしてなかったので。急に娘が作曲しだして「そんなことできるんだ」「できたんだ」って。
――普段の楽曲制作で意識していることはありますか?
曲のワンフレーズだけ切り取っても、強烈に一瞬で記憶に残るということ。アルバムとかCDを買う時代は終わってますし、私も全然ですけど、まだ世の中に知られていないアーティストは“そのアーティストだから聴く”みたいなところにまだいない。SNSが戦う場所なので数秒間でキャッチーに伝えることを意識しています。
――作詞について心がけていることはありますか?
自分の経験からとか、内なる感情とかから書くアーティストも多いかもしれないんですけど。私は違って、SNSを見てみんなが何を必要としてるのかとか(くみ取って)、みんなの恋愛事情が赤裸々に書かれた投稿を見て、スマホのメモ機能に良い言葉をメモって、そこから引っ張ってきます。SNS自体がアイデアの宝庫なので見続けていれば、そのうち浮かんできます。
■初ライブ開催へ 目標は「3年以内に日本武道館」
これまでSNSのみでの活動を続けてきた乃紫さんですが、4月には初となるライブの開催が決定しています。初ライブに向けての思い、さらに今後の目標を伺いました。
――初ライブへの思いを教えてください。
楽曲をバンドが演奏して、私が歌って、みんなどんな反応するのか。“ここで盛り上がったりするのかな”と想像するのがすごく楽しいです。立ちたいステージは3年以内に日本武道館。3年以内であまり達成してる方いないかなと思って。今後は20年後も愛されるアーティストを目指します。