「700年以上の伝統」地元に伝わる国重要無形民俗文化財の神楽を中学生が文化祭で披露
球磨郡湯前村の中学生が11月、学校の文化祭で、人吉球磨地域に長く伝わる球磨神楽を披露しました。夏から練習を重ねた生徒たち。伝統芸能を受け継ぐ姿を取材しました。
11月5日、湯前町の里宮神社に集まったのは、地元・湯前中学校の生徒たち。始まったのは球磨神楽の練習です。
人吉球磨地域で700年以上受け継がれてきた球磨神楽。神楽では熊本県内で唯一、国の重要無形民俗文化財に指定されています。約20年前から地域の伝統芸能を学び、文化祭で発表している湯前中学校。後継者不足に悩む地元保存会の指導にも熱が入ります。
■吉田楽々さん(3年)
「去年も神楽をしたんですけど、自分がきれいに舞えて、とても達成感があったので、またやりたいなと思って」
■新堀龍聖さん(2年)
「やってみて難しいところもあるんですけれども、(男子は)2人で頑張ってます」
8月から重ねてきた全体練習もこれが最後です。
■指導者
「先生方に感謝をして、お家の人にも感謝をして、素直なきれいな神楽を舞ってほしいと思います」
4日後の11月9日。いよいよ文化祭当日。生徒は正装で臨みます。
(吉田楽々さんあいさつ)
「ふるさとへの思いを、魅力を、たくさんの方々に届けることができるように、誇りを持って堂々と披露いたします」
グループに分かれて発表したのは、棒踊りや太鼓踊りという伝統芸能。地域の住民や保護者が見守る中、いよいよ神楽の披露です。
鈴などを手に、雨乞いや豊作祈願などの演目で、一糸乱れぬ舞を披露しました。
■田爪菜奈子さん(3年)
「少し早かったところもあったけど、最後までちゃんと踊れてよかったです」
■新堀龍聖さん(2年)
「間違えても堂々としようと思って、しっかりといきました」
練習の成果が発揮できたようです。
■見ていた男子生徒
「かっこよかったです」
■見ていた男子生徒
Q来年やってみたい?
「はい。やってみたい」
今年は2人だけだった男性生徒も、来年は増えるかもしれません。
■吉田楽々さん(3年)
「練習してきたのがしっかりできて、ちゃんと思いを届けることができたと思います」
中学生が新しい命を吹き込んだ伝統の球磨神楽。こうして次の世代に受け継がれてゆきます。