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再び“エッグショック”か…たまごの価格が徐々に上昇 鳥インフル拡大の懸念も

2024年11月19日 20:33
再び“エッグショック”か…たまごの価格が徐々に上昇 鳥インフル拡大の懸念も

たまごの価格が今、徐々に上がっているといいます。さらに鳥インフルエンザの影響も懸念されています。

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じっくりと香ばしく焼いた鶏肉にとろとろの半熟たまごを落として完成する親子丼。

「たまごがとろとろしていておいしい」

1日で約750個のたまごを使う飲食店「鳥一味 東京ソラマチ店」。親子丼には欠かせないものですが…

鳥一味 長谷川光良副店長
「また8月くらいから(仕入れ価格が)上がりました」

仕入れ価格が徐々に上がっているといいます。ただ、この店は去年、親子丼を100円値上げしたばかり。(※鳥焼き親子丼750円→850円)今回はなんとかメニューの値段は据え置きたいと、業者を変えるなど工夫しているといいます。

去年春から夏にかけて1パックあたり300円を超える高値となったたまごの平均小売価格。いわゆる“エッグショック”と呼ばれました。

その後、落ち着きを取り戻したものの、今年8月から再び上がり始めていて、19日に農水省が発表した11月の平均価格は264円と、平年より1割以上高くなっています。

スーパーのお客さんからは嘆きの声も聞かれました。

主婦(50代)
「高かった…高いですね」

主婦(70代)
「高いから本当に貴重品じゃないけど、普段使いするには高すぎる。10個パックあるとふんだんに使っちゃうので、最近は6個パック使って、なんでこんな…惨めだなと思いながら使っています」

スーパー「セルシオ 和田町店」では、半年ほど前と比べて50円も高い価格で販売。(※今年4月比)

食品バイヤー 久保田浩二さん
「今年の春、4月くらいは189円(税抜き)で販売できるくらいまで落ち着いていた。月を追うごとにどんどん上がっている中で、今現在だと239円(税抜き)での販売価格」

週に1度のたまごの特売は、値段を安く販売できる小さいサイズのたまごなどに切り替えているといいます。

食品バイヤー 久保田浩二さん
「冷蔵庫の中で大事なようにスーパーの中でも同じくすごく重要なポジションではある。価格には影響が出ないように相場がちょっと落ち着いてくれれば」

鶏卵産業にくわしい専門家によると、今、価格が上がっている理由は、クリスマスケーキやおでんなどでたまごの需要が高まっているからだといいます。

ただ、今懸念されるのが各地で増えている鳥インフルエンザです。

東京農業大学元教授 信岡誠治さん
「鳥インフルのウイルスが、今年は日本だけでなく世界中でウイルス濃度が高いんです。だからいつかかっても不思議ではない状況」

今年は、10月17日に過去最速で1例目が確認されて以来、9件発生。19日は岐阜県の養鶏場で鳥インフルエンザの陽性が確認されるなど、19日までに7道県で約110万羽のニワトリが殺処分の対象となっています。

15日、農水省の江藤大臣は…

江藤農水相
「今年の発生ペースは一番、最悪だったときとほぼ同じペースになりますので」

鳥インフルエンザが大流行し、過去最悪となった2022年と同等のペースで発生していると発言しました。

たまごの高値が続いている中、このペースで流行していくと…

東京農業大学元教授 信岡誠治さん
「さらに価格が上がるリスクがあるということです。それは鳥インフルエンザの発生状況によります」

去年の“エッグショック”に匹敵する可能性も出てきてしまうというのです。

当時、涙ぐましい努力をした人も…

主婦(50代)
「お弁当のときに(卵焼きを)1日で使う分を2日で使う。1個で1人分使っていたのを1個で(卵焼き)6切れにして3切れずつを2日間にわけて入れるという」

──食べている量は?

主婦(50代)
「半分」

主婦(40代)
「かさ増しして食べたりはするかもしれないです、お野菜と」

──どうやって?

主婦(40代)
「もやしとか、だいたい値段が安定している野菜を使って、それに混ぜてたまごとじしたりとか。1品増えるだけで夕食変わるので」

専門家によると、少なくとも年内は価格は下がらない状況が続く見通しだということです。

最終更新日:2024年11月19日 20:33