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テレワーク時代 充電ケーブルの選び方

2021年12月31日 20:00
テレワーク時代 充電ケーブルの選び方

コロナ禍で急速に広がったテレワーク。職場以外で仕事をすることも増え、充電ケーブルを持ち運ばなければならないことも。いつも快適に仕事ができるよう、充電ケーブルについて気を付けるべきことは? どんなケーブルを選べば良いのか?

■コロナ禍でケーブルを持ち歩く機会が増加

コロナ以降、急速に広がったテレワーク。2021年も職場以外で仕事をする場面が増え、パソコンやタブレット、スマホ、Wi-Fiルーターなどを毎日持ち歩く人も多くなりました。それに伴い必要となるのが、たくさんの充電ケーブルです。でも皆さんは充電ケーブルについてどれくらい気にしているでしょうか? その種類・性能は千差万別。自分の使い方に合わないものを選ぶと、仕事の効率を下げてしまうかもしれません。

■つい長いものを買いがちだが…

まず充電ケーブルで大事なのは長さです。「大は小を兼ねる」ということわざがありますが、ケーブルについては、長すぎると充電の効率が悪くなります。長ければ長いほど抵抗が大きく、電気が流れにくくなるため、同じ性能の短いものと比べて充電に時間がかかるのです。自分の使用環境に合う長さを見極めて、必要以上に長くないものを選ぶことが大切です。

■充電時間を最速にするには…

忙しい合間の充電は短時間で効率的にしたい。そんなニーズがあると「急速充電対応」と書かれたケーブルを選びたくなりますが、これを使う際は要注意。「急速充電対応」のケーブルを使っても、充電速度が必ずしも早くなるとは限らないのです。

実はケーブルの能力を最大限発揮させるには、電気が流れてくる上流にあるアダプターや、電気を受け取る下流にある機器そのもの、つまりスマホなどのデバイス、どちらも急速充電に対応したものでなければなりません。川上から川下まで「急速充電」の条件がすべてそろって、初めて早さを享受できるのです。

では、どんなものを選べばいいのでしょうか。ケーブルの箱やアダプターなどには、対応できる電力などが記載されています。スマホを充電する場合、通常のUSBケーブルであれば電圧は5V(ボルト)は確保されるため、電流は少なくとも2.4A(アンペア)、できれば3Aと書かれた商品を選び、消費電力も15W(ワット)以上に対応したものなら、急速充電ができます。

また、アダプターにケーブルの差し口が複数ある場合、2つ同時に使うよりも1つだけを使う方がスピードがアップします。

■ケーブルを長持ちさせるには

一方、充電ケーブルが壊れてしまった経験を持つ人もいるのではないでしょうか? ケーブルが引っ張られるような負荷をかけたり、持ち運ぶために折り曲げて縛ったりすると、中の銅線が断裂する要因となります。持ち歩く時も、ゆったりとした円状で束ねることで長持ちが期待できます。また、抜き差しを繰り返していると接続する金属部分(コネクタ)が変形したり、摩耗したりして、接触が維持できなくなる故障もあります。

長持ちさせるコツを、USBケーブルを製造するエイム電子に聞いたところ、「コネクタ部分を持ち、機器に対してまっすぐ抜き差しすることを心がけると、接点部分への負担が少ない」ということです。また、その際ゆっくりと抜き差しすることも大切だとしています。

■最初から消耗品と割り切る手も

しかし、お気に入りのケーブルであればあるほど、必然的に使用頻度が増し、利用者が気を付けていても故障するリスクは自然と高くなります。また、それがネット通販で買ったノンブランドのものだった場合、再び同じものを買おうとしても「ネット上で見つからない!」なんてこともよくある話です。

そこで、充電ケーブルは安価なものを複数用意しておくというのも1つの考え方です。今や充電ケーブルは量販店だけでなく100円ショップ、いわゆる“100均”でも手に入り、ラインアップも豊富で急速充電に対応した商品もあります。自分の使い方に合うものなら、ケーブルを複数買い置きしておくことで、壊れてしまった時のリカバリーも小さく済みます。ただ気になるのは“100均”のケーブルの性能です。実際にケーブルを製造し“100均”に卸している、ある会社に話を聞きました。

担当者は「工場で出荷前に通電テストを毎回行っている」と答え、品質に問題はないと話します。その上で「同じような製品を作っている同業他社がたくさんあるため、例えば1つの会社が量販店で売られているような高機能のケーブルを開発し発売すると、他の会社もみんな追いかけて製造している状況です。原価は張るけど、追いかけないと顧客から相手にされなくなってしまう」と、品質面でライバルと激しい競争をしていることを明かしました。

■専門家はどうみる

またスマホや周辺機器などに詳しいジャーナリストの石野純也氏に“100均”のケーブルを使う際の注意点を聞いてみました。

石野氏は“100均”のケーブルについて「USBケーブルは、充電については問題なくスピーディーに行えて実用的なものも多い一方で、データを転送する機能については高速に対応できていないものが多い」と話します。さらに「iPhone用のライトニングケーブルについては“100均”のものは、安さから考えるとAppleの認証をとっていないものが多い。今、充電ができていたとしてもApple側によるOS(=基本ソフト)の更新などで、ある日、突然使えなくなってしまうこともあり得る」と、使う上での注意点をあげています。

実際にAppleはHPで、ユーザーに対してAppleが認定しているメーカーのケーブルを使うよう呼びかけていて、それ以外のものを使うと「デバイスが損傷するおそれがある」などと注意を促しています。

■ケーブルを制して快適なテレワークを

コロナ禍によって「テレワークが当たり前」の時代へ加速したのは間違いありません。ビジネスパーソンがより良いIT環境を整えるためには、コストを考えながら賢いケーブル選びをすることも大切です。どうぞ2022年も快適なテレワークを。