“節約術”で1円でも安くお得に 7月は約1600品目の値上げも…
食品などの値上げの発表が相次いでいます。7月は約1600品目、年内には2万品目を超える食品の値上げを予想する調査結果も出ています。こうした中、家計防衛策として「1円でも安くお得に買い物をしたい」と、早朝からスーパーに出かける人たちの姿がありました。
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千葉県いすみ市の直売所「ポッポの丘」は、近くの養鶏場から直送される新鮮な卵を扱っています。展示している列車の中で行われる目玉企画が、通常1個44円する卵を1890円で詰め放題ならぬ“積み放題”です。
「さあ、いくつ入るかしら」
店員
「頑張って」
月に1~2回通う常連さんが、初挑戦の友達に卵を積むコツを指導していました。
常連客
「この上にのっかっていないとだめ」
常連さんは58個、2252円分をゲットし、662円分お得になりました。
常連客
「すごいでしょ。でも(夫婦)2人で全部食べちゃうの」
指導のかいがあり、友達も十分、元はとれたようです。
ポッポの丘 村石愛二代表
「隣近所、2~3家族で分けてもらえると、かなり割安に買えると思いますので」
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飼料価格の高騰を受け、スーパーなどでは卵の値段までもが上がる中、7月から食用油・小麦粉・食パン・調味料など様々な食品が値上げされます。
6月30日に帝国データバンクが発表した「食品主要105社」価格改定動向調査は、7月は約1600品目、年内に2万品目を超える食品が値上げされると予想しています。
“値上げの7月”に、街では――
「結構、買いだめはしました」
「油、しょうゆとか」
「どうせいつか使うものだから」と、食品をまとめ買いする人もいました。
そして、何よりの家計防衛策が、1円でも安く買い物をすることです。
「携帯で広告を見て、きょう安いよねって。それが日課になっていますね」
「ほぼ毎日見てますね」
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東京・足立区にあるスーパー「ゑびすや商店 ABS卸売センター」では、84歳の名物会長が培った独自の仕入れルートで、企業から売れ残った商品などを大量に仕入れています。「68円均一コーナー」など、常に激安商品が並びます。
さらに、毎月1日限定の“超お得イベント”が開かれていました。
「はい!おまちどおさまー!」
会長と客が値段を競り合う真剣勝負、その名も「バカ値市」です。
会長
「さあ、これは、みたらしだんごだ」
会長
「みたらしだんご、いくら?150…」
お客さん
「50!」
会長
「いくら、いくら?」
会長
「きょうはもう暑いから、いいや。もう箱ごと売っちゃえ」
150円のだんご6個入り900円が――
会長
「はい100円!」
次々と、商品が競り落とされる中――
お客さん
「ここのおばさんに売って!ここ1個も買ってないよ! おねがーーーい!」
ひときわ気合が入っていたグループは、タマネギを目当てに“越境参戦”しました。
神奈川から来た客
「出発5時半。8時オープンに合わせて来たんですけど、まさか12時にこれ(バカ値市)をやるって知らなくて。タマネギ欲しいかな」
事前に、ライバルの動向を探る作戦に出ました。
お客さん
「500円?」
神奈川から来た客
「1000円ぐらいだったら」
そして、本来8000円相当だという淡路産のタマネギ1箱10キロを見事、1500円でゲットしました。
――1番の収穫は?
「1番の収穫はコレです!もうコレです!コレ以上のものはないね!」
イベントはこれで終わりでなく、1000円で食品の詰め放題も行われていました。
お客さん
「これで5000円以上になりますね」
ただ、イベントが終わると、待っているのは――
お客さん
「きょうから、(価格が)上がるものが結構あるじゃないですか。違うところ(スーパー)も今から行ってみようかなと思って。(値上がりを)実感してきます」
物価高の現実です。だからこそ――
ゑびすや商店・ABS卸売センター 唐鎌秀貢会長
「お客さんが『安い』と言えばいい。物価高に挑戦!」
お得な買い物で、“物価高”に対抗する人は、今後ますます増えそうです。