東京・中央区の投資顧問会社「ＡＩＪ投資顧問」が約２０００億円の年金資金を消失させていた問題で、ＡＩＪが、預かった資金を運用せず、そのまま払戻金などに充てる自転車操業に陥っていたことがわかった。

　関係者によると、ＡＩＪは、年金資金の運用を始めた直後から損失を出す一方、顧客には、高い収益が出ているとウソの報告書を出すなどして資金を集めていた。しかし、この数年間は、損失が拡大して資金を運用に回せず、預かった資金をそのまま解約の払戻金や配当に充てていたという。ＡＩＪは、こうした自転車操業状態に陥ってからも高い利回りを約束しており、証券取引等監視委員会が実態の解明を進めている。