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放置竹林に「隠れフードロス」?大学生たちがたけのこ収穫

2023年6月8日 22:00
放置竹林に「隠れフードロス」?大学生たちがたけのこ収穫

大手百貨店の伊勢丹新宿店で現在販売されている、大分県・中津市のたけのこ。実は、ただのたけのこではありません。食品大手の味の素が、地元の大学生たちに働きかけて収穫や加工を一緒に行った商品です。

なぜ、こんな取り組みが行われたのでしょうか。背景には、大分・中津市が抱える「隠れフードロス」問題がありました。

■「隠れフードロス」とは?放置竹林のたけのこを販売

中津市には、高齢化や後継者不足から収穫できずに放置されている未収穫農作物、いわゆる「隠れフードロス」が多く存在しているといいます。この問題に着目したのが、味の素の「Z世代事業創造グループ」でした。

「Z世代事業創造グループ」は、Z世代の食の課題解決のためのサービスを開発したり、Z世代に味の素のファンになってもらったりするために設立されました。中津市の課題を知ったZ世代事業創造グループのメンバーが、「Z世代の大学生たちを巻き込んでこの問題を解決し、それを事業化できるのではないか」と、今回の取り組みを企画したということです。

■「筋トレになる」と呼びかけ 運動部員も巻き込む

サステナビリティに関心が高いといわれるZ世代。取り組みに賛同してくれそうな大学生たちに、まずSNSのダイレクトメッセージでコンタクトをとりました。しかし味の素は、「サステナビリティにあまり関心のない人たちも、なるべく多くの人を巻き込みたかった」といいます。

そこで彼らが考えたのが、「筋トレになる」という勧誘文句でした。これにより、「サステナビリティに元々あまり興味がなかった」というアメフト部員たちが集まりました。その運動部員たちも、この取り組みに参加しているうちに、地域の課題に関心を持ちました。

■都内大手デパートで販売へ 今後の展望は?

こうして多くの学生を巻き込みながら、都内百貨店での商品販売にまでこぎつけた、今回のプロジェクト。味の素には、今回の中津市でのプロジェクトをについて知った他の自治体から、問い合わせが入っています。味の素の担当者は、「それぞれの地域の課題を見極めながら、次の展開を考えていきたい」と話しています。

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