節電要請きょう終了 冬に向け“再稼働”火力発電所で設備点検
政府が7年ぶりに発令していた節電要請が30日に終了します。夏の電力需給のために再稼働した火力発電所では、この冬に向けて設備点検が始まっています。
この夏、電力を確保するため休止や廃止していた古い火力発電所が再稼働しました。
その一つ、運転開始からおよそ50年となる千葉県の袖ケ浦火力発電所では、最新式の発電所にはない苦労が多いといいます。
袖ケ浦火力発電所・中村仲所長「現場で人が操作しなければいけない。これはベテラン社員が長年の経験や勘をいかしてやらねばならない。五感に頼ったところが必要になるので人材の確保が難しくなる」
棒を聴診器代わりに使い耳で機器の調子を判断します。また、需給の調整のため数日間運転を止めた場合には、およそ240か所ものバルブの開閉作業があるなど現場で多くの作業が発生します。
政府は、電力供給の余力分を示す「予備率」について、この冬、安定供給に最低限必要とされる3%を全国で確保できるとの見通しを示しています。
しかし、電力需給は依然として厳しく、政府はこの冬も無理のない範囲での節電を呼びかける方向です。