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“廃棄”を防ぐ 賞味期限近い商品を割引きで販売 売り場に並ばなくなった商品集めて販売も…

2023年5月25日 22:02
“廃棄”を防ぐ 賞味期限近い商品を割引きで販売 売り場に並ばなくなった商品集めて販売も…

食品や商品の廃棄を防ぐため、販売方法を工夫するなど、様々な動きが広がっています。これまで廃棄されていた物が消費者の手元に届くその仕組みを取材しました。

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神奈川・横浜市にある商業施設「たまプラーザテラス」に26日にオープンする店には、95%オフなど、大きく割引きされた商品は並べられていました。実は、ショッピングサイトを運営する会社の店です。

ショッピングサイト「クラダシ」では、賞味期限が近いなどの理由で通常の流通ルートでの販売が困難なものを、通常より安い値段で販売し、フードロスなどの削減を目指しています。

これまで、期間限定での出店はあったといいますが、今回は初めてとなる常設店舗の出店です。

クラダシ・経営戦略室 築地雄峰室長
「フードロスの問題や、“クラダシ”をより多くの方に認知いただきたい。去年頃からポップアップを開始し、より深く知ってもらうため、常設店を開始した」

ショッピングサイトではセットでの販売が基本でしたが、常設店では1個単位での購入が可能です。また、常設店では配送の時間がないため、サイトより期限が短いものを安く販売できるといいます。

さらに、購入者が社会貢献に関わることを意識する工夫もありました。購入金額の一部は社会貢献団体へ寄付される仕組みとなっていますが、その送り先を選択できるのです。

クラダシ・経営戦略室 築地雄峰室長
「ただ安いだけでなく、フードロス解消につながるとか、寄付にまわるみたいなところも一緒にご体験いただければなと」

商業施設側も期待を寄せています。

東急モールズデベロップメント 佐々木桃子代表
「お買い物していただくと同時に、社会貢献するんだということで、満足度の向上にもつながると思う。ぜひお楽しみいただければ」

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ユニークな方法で廃棄を防ぐ動きもあります。

東京・台東区にある衣服やジュエリー、バッグなどを販売する店では、200以上ある商品の中に「最後の一品」と書かれたタグがついたものがありました。実は、全国に40ほどある同じ系列のお店で残りわずかとなった商品を、一堂に集めて販売しているのです。

マザーハウス 最後の一品店。 吉浪優香店主
「毎年、新商品を届けなければいけないというところで、過去に作ったその時の最高傑作がバックヤードで眠ってしまっていて」

商品の多くは、新商品によってお店の売り場に並ばなくなったものです。この店に集めることで利用者の目にとまり、購入するチャンスが増えるのです。「最後の一品」には、タグをつけるなどしてわかりやすくしていました。

マザーハウス 最後の一品店。 吉浪優香店主
「予想していた以上に、お客さまから『最後の一品』に価値を感じてもらえ、すごく好評をいただいているなと。ご自身が宝探しみたいに、気に入る最後の一品を見つけてほしい」

SNSでも購入できるということです。