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東芝、田中社長辞任も“実現可能な要求”

2015年7月21日 22:44
東芝、田中社長辞任も“実現可能な要求”

 東芝の利益水増し問題で、第三者委員会から経営トップの関与によって利益が水増しされたという報告を受け、東芝の田中久雄社長は21日付で辞任した。

 東芝・田中久雄社長「日々業務に誠実に対応している従業員に一刻も早く、今まで以上の業務に精励をしていただきたいという思いから、本日辞任をさせていただきました」

 田中社長は、責任は経営幹部にあると述べ、辞任を発表した。一方で第三者委員会は、田中社長も利益かさ上げのための損失先送りを、遅くとも2014年3月頃には知っていたと指摘しているが、これを否定した。

 東芝・田中久雄社長「利益の先送り、かさ上げの教示はございません。私自身不適切な会計処理がされていたとは、認識をしておりません」

 また、経営トップからの過大な利益の要求が不正に結びついたという見方については、実現可能な要求をしてきたとの見解を示した。

 東芝・田中久雄社長「努力をしてもできないレベルであれば、必達目標として要請することは適切ではないという認識はある。要請についてはそれぞれきちんとした理由があり、かつ実現可能なレベルで各カンパニーに要請していたと認識しております」

 東芝では法令順守の機能を強化するため、社外取締役と専門家をメンバーとする経営刷新委員会を今月中に設置し、企業風土の改革を図る。

 一方、東芝の利益水増し問題を調査していた第三者委員会も会見を開き、東芝の今回の問題の背景の一つに「利益至上主義」とする東芝の企業風土があったとする認識を改めて示した。

 第三者委員会・上田委員長「日本を代表する大手の会社が、組織的にやっていた。それなりに衝撃を受けた」