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LINE上場から見る「メリットと負担」

2016年7月15日 19:19
LINE上場から見る「メリットと負担」

 無料通信アプリを運営するLINEが東京証券取引所とアメリカ・ニューヨーク株式市場に上場した。上場すると今後、企業経営にどのような影響があるのか。そのメリットと負担について、中央大学法科大学院・野村修也教授が解説する。

 証券市場に株を上場すると、新株を買う投資家が増えるので資金調達がしやすくなる。今回、日本だけでなく、ニューヨークでも上場したので世界中のお金を集めることができるようになった。これは企業にとって大きなメリットとなる。

 ただ、最近は上場企業へのルールが厳しくなっている。例えば「ディスクロージャー」。すなわち、株主にしっかりと「情報開示」をしなければならない。その数字が正しいということを守るために、粉飾を防止する仕組みなどを作ることが求められる。

 次に「企業運営に関するルール作り」。「コーポレートガバナンス・コード」と呼ばれているが、例えば「複数の社外取締役を置きなさい」といったことが上場規則として定められている。従って、企業運営に関するルールをしっかりと作っていくことが求められていく。

 さらに、年金機構など他人のお金を株で運用している「機関投資家との対話」も求められる。機関投資家は投資する企業に対し、収益目標などをしっかり定めることを要求するという仕組みになっている。これを守れなかった場合には「次の株主総会で社長もクビにしますよ」というような厳しさが求められている。

 これを機会に、LINEはぜひ、世界の舞台で活躍できるようになってほしい。