円安“20年ぶり”の低水準 日米の金利差で… 低所得世帯に“5万円給付”か
急激な円安が止まりません。外国為替市場で、円相場は一時、1ドル=129円台をつけました。生活への影響が出る中、政府は経済対策として、低所得世帯を対象に5万円を給付する方向で調整しているということです。
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ほどよくのった脂が光る、食べ応えのある牛タン。43年営業を続ける、東京・新宿区の牛タン専門店「たん焼 忍」では、現在は主にカナダ産の牛タンを使っています。
たん焼忍 上原拓馬チーフ
「(1年前と比べ仕入れ価格が)だいたい2倍くらいに上がっている。1キロで500円くらいの値上がり」
来月分は、アメリカ産を仕入れる予定だといいますが、ある悩みがありました。
上原チーフ
「もう、5月頭からは影響が出始めるとおもっています。アメリカ産を狙ってはいるが、円安の状況によってはカナダを続ける可能性があります」
円安が続くと輸入品は価格が上がるため、心配していたのです。
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20年ぶりの水準が続く円安。20日の外国為替市場で一時、1ドル=129円台をつけました。外国為替市場では、この1か月で10円近く円安が進行しています。
背景にあるのは、日米の金利政策の違いです。日本が金利を低く抑える低金利政策を続ける一方、アメリカの長期金利は上昇しています。日米の金利差が広がっていることで、より金利で稼げるドルを買って円を売る動きが止まらず、急速に円安が進んでいるのです。
給料が上がらない中、生活に必要なものの値段が上がる悪い円安が続くと、生活への影響が大きくなると懸念されています。
こうした中、注目されるのは、物価高騰などを受け、政府がとりまとめる緊急の経済対策です。
複数の政府関係者によると、政府は、所得の低い子育て世帯を対象に、子ども1人あたり5万円を給付する方向で調整しているということです。対象は、児童扶養手当を受け取っているひとり親世帯に加え、住民税非課税のふたり親世帯が検討されています。
政府は、こうした支援策を含む緊急経済対策を、来週火曜日・26日にも閣議決定する方針です。