企業トップに聞いた「今年の賃上げ」JR東日本・深澤祐二社長
■今年の賃上げは?
「私どもご存じのようにコロナで厳しい状況で数年、まだ100%回復していない状況です。ただ実質賃金のマイナスが続いている状況でありますから、昨年度もベースアップしましたけれども、今年も昨年並み、あるいは以上のことを考えていかなければと思っています。ただ当然そういう事をやるためには、生産性をいかに向上させるのかということでありますけれども、私どもコストダウンやっていきますけれども、一方、鉄道運賃は認可という規制の下にありまして、将来の安全投資、人材投資を反映されない仕組みになっています。国で議論していただいてますけれども、そういうものが反映して循環できるよう規制の改革をお願いしている。昨年度3.8%の賃上げを行いました。昨年並み、あるいはそれ以上どこまで出せるかというのはこれから検討していきたいと思います」
■能登半島の地震について
「新幹線は非常に揺れ大きくて、点検に時間かかりまして、2日午後から再開するということになりました。在来線もまもなく全線動かせるということを予定しております。今まで様々な耐震補強も含めて取り組みをしてきていますけれども、継続的にそれを行っていくことと、起こった際に出来るだけ早い復旧を、引き続き様々な取り組みをしていきたいと思います」
■2024年物流問題について
「鉄道で色々なものを運ぶ、鉄道貨物も荷物もありますし、鉄道で運んでもらうのが大事なことだと思っています。JR東日本としては、荷物を新幹線で運ぶ取り組みをここ数年進めています。大量に運ぶ実証実験も今年度、もう1回くらい春までに行って、来年度からはまさに営業の段階に入っていきたいと思っています」
「やり始めて分かりましたのは、生鮮、魚介、野菜や花に需要があると思っていましたが、それ以外の、振動に弱い半導体やもう少し量が多いものも要望があることがわかりましたので、大量に多量に運ぶ実験を何回か進めています」
「一番早い、かつ振動がない運び方になります。そしてもう一つはロッカーですね。ロッカーをもう少し有効に使えないか。ということでマルチロッカーと呼んでいますが、予約ができ、発送ができ、受け取りができるロッカーを1000台ほどできるだけ早く設置して、いわゆるラストワンマイル対策にはなると思いますのでそういうことも組み合わせて取り組みをしていきたい」