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新入会も…2019年も“変わる経団連”

2019年1月2日 17:49
新入会も…2019年も“変わる経団連”

【アマゾン、メルカリも入会 2019年も“変わる経団連”】

2018年12月に、アマゾンジャパンとメルカリを会員に迎えた経団連。これまで重厚長大、伝統ある大企業が“顔”となってきた経団連だが、あえてそうしたITやベンチャーなどを増やしていくため、11月に会員規約を変更した。

中西宏明会長(日立製作所会長)の狙いは何か?中西会長は2019年のスタートにあたってインタビューに応じ、アマゾンジャパン、メルカリのような「新メンバーを増やしていくことは今後も続ける」と述べた。

背景には、今、AI、IoTの活用によるデジタル化の課題について「切実感を持って議論できる幹部があまり多くない」こともあるという。つまり、世界が競ってデジタル化による改革を進め、覇権を争う中で、日本では企業でも行政でもデータの利用、活用の歩みが遅く、世界に後れを取っている実態がある。そんな中で、ITやベンチャーの勢いを取り込み、改革を加速させたい思惑だ。

中西氏は、経団連の会長に就く前の副会長の時代から、AI、IoT、ビッグデータをあらゆる産業に活用し、人々の生活を変えていく「Society5.0」を旗振り役として推進してきた。

デジタル技術とデータの活用を進めることで、今ある社会の課題を解決し、人々の生活や産業構造、雇用のあり方などを変えていくという。経団連はこの動きを「デジタルトランスフォーメーション」と呼び、これを加速させていきたい考えだ。

中西氏は、「デジタルトランスフォーメーションを推し進めていくパワーは、従来の産業よりも、新しく入ってこられた方々(=アマゾンジャパン、メルカリのようなIT企業)の方が強い推進力がある」「そういった企業にも、経済団体に参画すれば課題が解決できるという期待感を持って集まってもらう」と述べた。その上で、デジタルトランスフォーメーションの推進に必要な政策を政府に働きかけていく、との考えを示した。

また、日本ではまだ大企業の方が人材を集めやすいことから、大企業が「ヒト、モノ、カネ」そして「メンター(経営指導)」をベンチャーの世界に提供し、それによってベンチャー企業の力を日本でうまく活用できる仕組みづくりを行っていくことが、大企業の競争力維持にもつながる、と説明した上で、「経団連はそこにすごく関心がある」と述べた。

2019年は、日本でG20、それとあわせてG20ビジネスサミット(B20)が開かれるが、データの保護や規制をめぐるルールづくりについて、経済界としても日本がイニシアチブをとる形で進めたい意向だ。

2018年、経団連は大学生の就職活動をめぐり、面接や内定の解禁日の指針を廃止することを決めた。2019年、従来の常識やしがらみにとらわれない改革ができるのか、中西会長の手腕が問われる。

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