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「今年は賃上げをしますか?」企業トップに直撃 値上げや景気の見通しは?

2023年1月5日 20:01
「今年は賃上げをしますか?」企業トップに直撃 値上げや景気の見通しは?

物価上昇が続く中、「賃金」が上がるかどうかが景気に大きく影響します。5日に行われた経済三団体による新年祝賀会で、日本経済をリードする企業のトップらに「賃上げ」や「値上げ」について聞きました。

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5日、経済三団体新年祝賀会が都内で開かれました。2022年はウクライナ情勢や円安の影響で、多くのモノが値上がりしました。今年の「値上げ」、そして「賃上げ」はどうなるのでしょうか。経済界をリードする企業のトップたちに聞きました。

ローソン 竹増貞信社長(国内外2万の店舗網)
「どうしても生活にいるよという商品。これはですね、やはり引き続き極力、値段を上げないという努力をしていきたい。一方で付加価値がついた新しい商品・新しいサービス。そういったものは、しっかりと価格設定をしていきたい。この二極化で対応したいと」

オイシックス・ラ・大地 高島宏平社長(有機野菜や無添加食品など宅配)
「値上げ慣れした1年だったと思うんですね、昨年っていうのは。今まで非常に恐れていた値上げということに関して、みんながやるからということで。そういう意味では、今後も必要に応じて、値段を上げていくということは、起き続けるんじゃないかなというふうに思います」

すかいらーくHD 谷真会長兼社長(ガストなどを展開するファミレス大手)
「いったん、ある程度沈静化しつつ、今度は需要が膨らむことによる値上げはあるかもしれませんけど、それは大変健全な形だと思うので」

「輸入に押される値上げは落ち着く」という声もありましたが、物価の上昇は続きそうです。そこで、景気を冷やさないために重要となるのが「賃上げ」です。祝賀会に駆けつけた岸田首相は、「賃上げ」を“要請”しました。

岸田首相
「まず目指すのは、成長と分配の好循環の中核である“賃上げ”です。ぜひインフレ率を超える賃上げの実現をお願いしたいと」

企業はこれにどう応えるのでしょうか?各企業のトップに「賃上げ します!」、「賃上げ 前向き!」、「賃上げ 慎重」、「賃上げ 見送り」の4つの札の中から1つを選んでもらいました。

【賃上げ します!】
サントリーHD 新浪剛史社長(清涼飲料・洋酒などの大手メーカー)
「(ベアを含め)6%を超えるということを出しておりまして。経営はやはり、今まではデフレ下というのが頭の中にありましたから、賃金上げなくても、生活を維持できると、こういう前提だったんですけれども、賃金上げないと、つまりベースアップをしないと生活苦は拭えない」
     
【賃上げ 前向き!】
ANA HD 芝田浩二社長(コロナ禍の出口を見据える航空業界)
「コロナの間、3年間われわれ、従業員に我慢をお願いしてきました。黒字を達成した暁には、しっかりと従業員の我慢に報いるためにもですね、賃金というのは戻していきたい。昨年以上の賞与を確保をしていきたい」

【賃上げ 前向き!】
DeNA 南場智子会長(ゲーム・スポーツなど幅広く展開)
「やっぱり人材争奪戦ですから。私たちの業界は人も動いてますし、優秀な人材を獲得して、満足して、はつらつと仕事をしてもらうためには、競争力のあるコンペンセーション・報酬をお支払いする」

【賃上げ します!】
三井不動産 菰田正信社長(ららぽーと、アウトレットなど展開)
「今まで出てきた利益のステイクホルダーへの分配が、株主には十分に分配はしてきているんだけども、従業員への分配が足りなかったなと」
    
また、日本生命は現場の営業職員5万人に7%の賃上げを行う方針です。大和証券も「4%の賃上げを検討している」と述べました。

日本テレビがインタビューした11人のうち、「賃上げします」と答えたのが6人、「前向き」が4人、「慎重」が1人、「見送り」は0人となりました。

物価上昇の中でも消費を維持し、景気を回していくには、今年は特に「賃上げ」が重要な鍵となります。