冷え込む日韓関係 あの観光地にも打撃
韓国を輸出管理の優遇対象国、いわゆる「ホワイト国」から外す政令が28日午前0時に施行され、韓国は正式に除外された。日韓関係が冷え込む中、外国人観光客に人気の有名観光地は大きな打撃を受けている。
◆韓国、“ホワイト国”除外に改めて反発
28日朝、韓国側から再び日本を批判する発言が出た。
韓国 李洛淵首相「日本が不当な措置を継続することを、非常に遺憾に思う」
日本政府が28日から、輸出管理の優遇対象国、いわゆる“ホワイト国”から韓国を除外したことに改めて反発した。韓国の外務省は日本の長嶺大使を呼び出して直接抗議。今回の措置は日韓の協力関係の根幹を揺るがす重大な挑戦だと指摘した。
一方、文在寅大統領は──
韓国 文在寅大統領「自由で公正な貿易体制が揺らぎ、政治目的の貿易報復が起こる中、自国の経済は自ら守るしかない」
関係改善の糸口すら見えない状況が続く日韓の緊張関係。今後さらなる日韓関係の悪化が懸念される中、日本各地の観光地に大きな影響が出ている。
◆来月は韓国からのツアー予約ゼロに
「川下り」を目当てに多くの外国人観光客が訪れる福岡県柳川市。大雨に見舞われたこの日は閑散としていたが、天候以上に大きな影響を及ぼしているというのが、日韓関係の悪化による訪日観光客の激減だ。
柳川市観光協会 風間英人事務局長「日本と韓国の情勢の悪化。かなり大きな痛手です」
日本政府が韓国を“ホワイト国”から除外することを決定した頃からツアーのキャンセルが相次ぎ、来月は韓国からのツアーの予約はゼロに。さらに最寄りの佐賀空港と韓国の空港とを結ぶLCCの直行便も運休となったことなどから、一部の船会社は運航回数を半分ほど減らすことも検討しているという。
影響は九州の別の観光地でも。大分の別府温泉では、「地獄」と呼ばれる源泉を巡るツアーに外国人観光客が大勢訪れ、多い時には10台以上の観光バスが停車していた。しかし、この日は1台も止まっていない。天候もあるが、やはり韓国人観光客の減少が大きな痛手だと話す。
かまど地獄 宇都宮貴代表取締役社長「(日韓関係の悪化で)バスの台数も以前より半分以上(減少)、(韓国人観光客は)10分の1くらいに減ってます」
◆都内にも影響…別の心配も
影響は、都内のあの観光地にも。焼き立てのメロンパンが看板商品の浅草の甘味処。実は、アイドルグループ2PMのメンバーなど韓国のスターが過去に来店し、韓国人のファンらが多く来店していたというが、この1か月は韓国人観光客の姿をほぼ見かけない状況に。売り上げにも響くが、また別の心配をしていた。
浅草花月堂 結城義文代表取締役「うちで働いている韓国人も、自分が韓国人だと言いにくいというんです。おびえながら働いたりしているので、なんかかわいそうだと思うので、今、韓国に戻ってますけど」
冷え込む一方の日韓関係。日本で有数の観光地にも影響が出始めている。