「電報」の料金・しくみどう変わる? 今も「年間400万通」の利用あり 一方で終了するサービスも
NTT東日本・西日本が電報の料金体系を見直すと発表しました。「そもそも『電報』とは何なのか?」、若い世代ではよくわからない人もいるかもしれません。令和の時代の電報とは? 料金やしくみは、どう変わる?
電報は、SNSやメールはもちろん電話のサービスも無かった明治2年に事業が始まったとされ、郵便よりも早くメッセージを伝えられる手段として広がりました。簡単な方法では、ダイヤル「115」に電話をかけて、送りたい相手の名前、住所、文面などを伝えるだけで、メッセージを紙に印字して相手に届けてくれるサービスです。
しかし、SNSやメッセージアプリ、メールが普及した現在、どれほどの人が使っているのでしょうか?
NTT東日本・西日本によりますと、一般・慶祝での利用者のピークは1963年で、年間9500万通の電報が送られました。2020年には年間400万通まで減りましたが、今でも一定数の利用者がいることがわかります。
現在では、冠婚葬祭などのシーンでぬいぐるみやプリザーブドフラワーなどとセットで贈る「言葉のギフト」として使われることが多いといいます。
■電報 料金体形の見直し
今回、NTT東日本・西日本が発表した料金体形の見直し。どう変わるのでしょうか?
たとえば、この文章。
「ご卒業おめでとうございます。この三年間は短かったけれど、人生で一番思い出深い日々になったことでしょう。学生時代の思い出を大切に、さらに自分を磨き、新しい世界へおもいっきり羽ばたいてください。」
以上は「95字」の文章です。これまでは、「最初の25字に基本料金726円、26字め以降は5字ごとに99円」が追加されて、726円+99円×14=2112円(税込み)となります。
この料金は、来年1月をめどに変更されると、基本料金が「300文字まで書けて1320円(税込み)」ということで、安くなります。ちなみに300文字以降は、420文字まで書くことができる紙を1ページ追加するごとに330円が加算されます。
NTT東日本・西日本は今回の見直しにより、多くの利用者にとっては料金が安くなると説明します。
■終了するサービスも
一方、来年1月をめどに「定文電報」や「無線電報」などのサービスを終了することも発表しました。
「定文電報」とは「危篤、至急電話されたし」など、死亡、危篤、事故、災害の時に使うもので、NTT側が用意した定型文であれば一通あたり税込み374円で送ることができるサービスです。
「無線電報」は名前通り無線を活用した電報で、主に陸地と海上のメッセージのやりとりに使われるものです。船乗りに向けた「あけましておめでとう」などのメッセージを送るときに使われることが多かったといいますが、利用者の数は2000年の約4万6000通に対して、2020年が685通と大幅に減少していました。
今ではメールやSNS、メッセージアプリで誰もが簡単に、大量の文字を無料で送り合うことができるようになりました。決められた少ない文字数の中で、いかに相手に伝わるメッセージを作るか、そんなことを考える機会は減りましたが、メッセージを打つ時、電報だったらいくらかかるのか…ちょっと計算してみるのも面白いかもしれません。