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飲食業界 無断キャンセル年間2千億円の損

2019年10月7日 16:06
飲食業界 無断キャンセル年間2千億円の損

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回のテーマは「飲食業界 無断キャンセルで年間2000億円の損」。飲食店向け予約システムを提供するテーブルチェックの谷口優氏に意見を聞いた。

経済産業省のリポートによると、無断キャンセルが飲食業界全体に与えている損害額は、年間で約2000億円にのぼるという。

ネット上では…

「無断キャンセルはなぜ起こる?」
「新規客の予約は経営のため必要」
「キャンセルは困るけど、連絡がある分まだまし」

などのような意見があった。


――この話題について谷口さんのご意見をうかがいます。まずはフリップをお願いします。

「正直者がばかをみない」です。

昨年の経済産業省のリポートによると2000億円の損害が無断キャンセルで生じているということです。ただ1日前、2日前までの損失を含めると、なんと1.6兆円の損害が発生していると推計されています。

さらにキャンセルがなくなった場合、飲食事業者の従業員の賃金を15%アップできる、それぐらいの損失が発生しているという状況なんです。

そのなかで、誰がその損害を負担しているのかというと、当然、飲食事業のオーナーであったりとか、先ほどの賃金の話からもその従業員の給与であったりとかするわけです。あるいは、その損失を見越して価格を設定してるわけです。その価格転嫁によって、お店に行ってご飯を食べてちゃんお料金を支払っている消費者なわけなんです。

本来であればキャンセルをした人、損害を与えた人が負担すべき損失というのを、飲食事業者であったり従業員であったり、あるいは一般の消費者が負担しているという状況になっています。


――これを解決するためにどうしたらいいんでしょうか。

他の業種業態であれば当たり前になっているのですが、例えば航空券であったり、ホテルの宿泊なんかでは、例えばネット予約する際に、クレジットカード情報をお客様からお預かりして、万が一、キャンセル費用を支払わなければいけない場合は、そこに請求をかけるという仕組みになっています。


――ある意味、当然の仕組みかもしれないですね。

これは我々が、昨年2回ほど消費者の意識調査を行ったんですが、消費者の方の約7割超は、レストランのキャンセル料は支払うことが妥当だと思うと回答しています。この数字というのは航空券よりも高い割合を示しているんです。ただ実際にレストランのキャンセル料を支払ったことがある人というのは、あまりいないと思います。

結局その電話予約したけど行けなくなりました、お店からキャンセル料を払ってください(払ってくださいといわないところが、大半だと思うんですけど)払ってくださいといわれたときに、この銀行のこの支店のこの口座に払ってくれといわれてもちょっと面倒くさいですよね。

ただ消費者としては支払うことは妥当だと思っているので、例えばすでにお預かりしているクレジットカードに対して請求しますよというふうにしてあげれば、お客様にとっても不満もないですし、そういった面倒もかからなくなります。こういう形がスタンダードになるんではないかなというふうに考えております。


――そうなることで「正直者がばかを見ない」ということにつながるということですね。あとは何よりこの現状いうのを、私たちが一度深刻に受け止めなければならないと感じました。

これは結局、マナーの良い人たちがマナーの悪い人のあおりを受けてるので一言でいえば、不公平な状態なのかなと思います。

【the SOCIAL opinionsより】