「回転寿司じゃなくなります」銚子丸が決断 25年続いたサービスを廃止に
寿司チェーンの「すし銚子丸」は、「回転寿司じゃなくなります」と発表しました。回転寿司店では迷惑行為が相次いでいますが、今回の決断には別の理由もありました。消費者からは様々な声が上がっています。
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6日のお昼時、千葉・市川市の「すし銚子丸 行徳店」を訪ねました。
利用客(18)
「いつもいっぱい(寿司が)回ってるんで、それを期待してきたんですけど、何もなかったのでビックリしました」
利用客(70代)
「もう一切、回らなくなったのね」
レーンの上は空っぽでした。5日までは寿司が回っていましたが、6日は全く回っていませんでした。
3日、ツイッターで「銚子丸は回転寿司じゃなくなります」と発表した「すし銚子丸」。首都圏で84店舗を運営し、25年にわたり回転寿司のサービスを続けてきました。しかし、来月26日までに全店で回転レーンでの寿司の提供を順次終了すると発表しました。ツイッターには「やはり淋しさがありますが、ご理解いただけますと幸いです」と綴られていました。
“回転寿司をやめる”決断の背景を聞きました。
銚子丸・経営戦略室 下公祐二課長
「ここ数年来、レールに流れている商品を取るよりも、ご注文で握りたてのお寿司を召し上がるお客さまの方が増加傾向にある」
コロナ禍以前からレーンに回っているすしを取る人は年々減少。直接注文する客が大半で、レーンに残されたすしの廃棄も問題になっていました。今後はタッチパネルを使った注文だけとなり、店員が席に直接、商品を運びます。
利用客からは…
利用客(70代)
「ちょっと寂しいよね。好きなもの取れないし、頼まなきゃならないから」
利用客(40代)
「回っているのが楽しかったよね」
寂しいという声もある中…
利用客(80代)
「イタズラの問題があるでしょ、嫌がらせの。なめたり」
利用客(70代)
「回っている楽しみはあまりない」
飲食店での迷惑行為が相次ぐ中、銚子丸では先月、テーブルのガリの箱に電子たばこの吸い殻が混入し、客ごとに提供する方法に切り替えています。回転レーンでの提供をやめることで、安心して食事ができる環境につながればということです。
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“回転する寿司”がなくなることについて、街で聞きました。
「回転する寿司だけど、回っているものを取る習慣があんまりなくて。時間ちょっとたってるかなっていうのが見た目であるので、頼んで待って食べた方が新鮮でいいかな」
「いいと思います。もともと回っているの取らないです」
“回る必要性を感じない”という声の一方、子どもからは次のような声も聞かれました。
「(回転寿司は)すき! くるくる回るの!」
――もし寿司が回らなくなったら?
「全然楽しくない」
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今後、別の飲食チェーンでも同じような動きがあるのか、専門家に聞きました。
流通アナリスト 中井彰人さん
「企業側は防衛策でコストを負担しなければならない。それが回り回ったら消費者の負担になるかもしれない。この迷惑が消費者の手軽なレストランを奪うということにならなければいい」
時代の流れとともに、“回転寿司”のかたちも変わっていくのでしょうか。