あさって「母の日」カーネーション値段高騰 「フラワーロス」対策も
8日は「母の日」です。今年はカーネーションの値段が高騰しているといいます。なぜ、値上がりしているのでしょうか? また、母の日を過ぎた後のカーネーションは、きれいな花を咲かせているのにもかかわらず捨てられてしまう「フラワーロス」が問題になっています。
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6日、東京・銀座で、もうすぐ迎える「母の日」をどう過ごすか、街の人に聞きました。
「食事くらいは、一緒に行こうかなと思ったりします」という声や、子どもからは、「おこのみやき」という一言も。
3年ぶりに制限がない母の日に、プレゼントとして食事に出掛けるという声が聞かれる中、定番はやはり、「母への愛」が花言葉の赤いカーネーションを送ることです。
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母の日を前に、東京・千代田区の「きりしまフラワー半蔵門店」は6日朝、約1000本のカーネーションを市場から仕入れ、準備で大忙しでした。しかし、このカーネーションにも、“あの波”が押し寄せているといいます。
きりしまフラワー 小黒厚司副社長
「仕入れの価格からいうと、(普段は)70円くらいのものが、120円ぐらいになっている」
値上げの波により、例年のこの時期と比べ、仕入れ値が3割から4割ほど高くなっているということです。
小黒副社長は「値が上がっただけ、どうしても苦しいところはありますよね」と話します。
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なぜ、カーネーションが値上がりしているのでしょうか? カーネーションを作る農家に話を聞きました。
雅園芸 吉田誠さん
「園芸農家さん、特にカーネーション農家がやめることが多かった。それで、需要と供給のバランスが崩れているんじゃないかなと思います」
新型コロナウイルスの影響などで、カーネーションの需要が落ち込み、農家が減少したといいます。しかし、今年は3年ぶりの制限なしで迎える母の日で、生花店に買いに来る人や、帰省して直接、渡すことが増えたりするなど需要が増加しました。供給が追いついていないことなどから、値段が上がっているといいます。
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そして、カーネーションの問題はそれだけではありません。
吉田さん
「正直、母の日の次の日とかになると、動きがピタッと止まるぐらいの感覚」
母の日を過ぎた後のカーネーションは、きれいな花を咲かせているのにもかかわらず、誰の目にも触れることなく捨てられてしまう「フラワーロス」が問題になっているのです。
花に関する事業を複数展開する企業によると、まだ楽しめる花が、年間で少なくとも10億本が廃棄されているといいます。
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このフラワーロスを無くそうとする動きもあります。
RINフラワーサイクリスト 河島春佳さん
「生花店での売れ残り。そのような花を買い取りして、ドライフラワーにして、このようなブーケにしております」
「サボン アトリエ スパ」では、濃淡のピンクの花が目を引く鮮やかなブーケや、母の日のプレゼントにおすすめのギフトボックスを限定販売しています。使われている物は、全て廃棄されそうになっていた花だということです。
8日の母の日、感謝の気持ちを伝えることが、フラワーロスの削減にも繋がるかもしれません。