トランプ関税“日本除外回答なし” トランプ氏“景気後退”否定せず…株式市場は一時大幅下落
トランプ政権の動きに日本が翻弄(ほんろう)されています。アメリカの景気後退の可能性を否定しなかったことで、株価下落は日本にも波及。さらに、対象からの除外を求めていた、いわゆるトランプ関税についても、日本を除外するとの回答は得られませんでした。
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トランプ大統領(日本時間5日)
「アメリカが戻ってきた!」
“アメリカ第一主義”を掲げるトランプ大統領。
次々と放たれる“トランプ砲”のなかでも、世界から恐れられているのが…
トランプ大統領
「アメリカ国内でモノを作らないなら、その国は関税を支払う。他国がアメリカに課す関税に応じて我々も彼らに関税を課す」
他国からアメリカに輸入されるモノに課す税金、「関税」です。12日に発動が迫る鉄鋼とアルミニウムへの関税措置。気になるのは日本への影響です。
武藤経産相はトランプ政権の商務長官らと会談し、関税措置の“除外”を求めました。しかし、その結果は…
武藤経産相(日本時間11日朝)
「(関税は)免れたい、除外してほしい旨はお伝えしたところです。ただそれについて、明日から日本を除外するという話にはなっていません」
──言質はとってない?
武藤経産相
「とっていません」
アメリカ側は関税や為替など「さまざまな制度の相互性を重視している」などと説明したということで、日本が鉄鋼とアルミニウムへの関税措置を回避するのは難しい情勢になってきています。
さらに懸念されるのが、来月以降、発動が検討されている「自動車への関税」です。
現在、日本がアメリカから車を輸入する際は、関税は「ゼロ」の一方で、アメリカへ車を輸出する際は、乗用車に2.5%の関税がかけられています。トランプ大統領は来月以降、これを25%前後に引き上げる可能性を示唆。その影響について、大手自動車メーカーの関係者は…
大手自動車メーカー関係者
「どうなるかわからないのが率直なところ。構えておくしかないという状況だ。価格が高くなればアメリカの人たちも買いにくくなると思うんですけどね。ビジネス的にも痛いです」
波紋を広げる“トランプ関税”。株価にも影響が出ています。トランプ大統領はテレビ番組で「景気が後退すると思うか」と問われると…
トランプ大統領
「我々がしていることは、とても大がかりなものだ。当然、移行期間はある」
この発言が、景気後退を否定しなかったと受け止められ、ニューヨーク株式市場では、ダウ平均株価の下げ幅が、一時1100ドルを超え、日経平均株価も11日、一時1000円以上下げる展開に。ここ数年で投資を始めた人たちからは不安の声が。
NISA利用中 会社員(20代)
「下がってますね。ちょっと不安ですね、さすがに。どこまで下がるのかというのもある」
投資中 会社員(30代)
「特に今年始まってからの下げが結構大きくて、いま“含み損”になりかけてる。(投資を)続けていいのか不安はある」
トランプ大統領の経済政策で景気の行方は?
日本政府は今後もアメリカ側と関税について協議を続けていくということです。