【解説】“円安バブル”崩壊?…専門家指摘 株価乱高下 カギ握るのは…
5日の暴落から一転、6日の日経平均株価は過去最大の上げ幅を記録しました。5日までの「歴史的暴落」の背景には「円安バブルの崩壊」があると指摘する専門家もいます。いったいどういうことなのでしょうか。
「日本の株式市場が大変な値動きになっています。5日は4500円近い『過去最大の下げ幅』から、6日は3217円04銭高い『過去最大の上げ幅』を記録しました。ただ、ここ数日ずっと下がっていましたので、6日に戻した分だけでは、ちょっと戻っただけのようにもみえます。今、何が起きているんでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「5日までの『歴史的暴落』の背景には、『円安バブルの崩壊』があると指摘する専門家もいます」
藤井キャスター
「『円安バブル』というと、何か恩恵を受けられて華やかな感じがありますが、どうなんでしょう?」
小栗解説委員長
「はい、円安というと、一般の消費者である私たちにとっては困ることが多くて、例えば海外旅行や輸入ステーキが高くなってお金がたくさんいります。これは『バブル』のイメージからはほど遠いですよね」
「一方で、日本は自動車や電子部品など、輸出でドルなどの外貨を稼いでいる企業が多く、円安でドルの価値が高くなると、もうけが増えるということになるんです。先月まで円相場は『歴史的な円安』で、日本の株は『史上最高値』をつけていました。ただ、野村総研エグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんによれば、『日本企業の業績というのが過剰に評価されて、ここ数年は“円安バブル”状態だった』ということです」
藤井キャスター
「輸出企業にとっては『バブル』だったけれども、それが急に崩れたということなんでしょうか?」
小栗解説委員長
「そういうことなんです。先月末に日本銀行が利上げをして、さらにそのタイミングでアメリカの景気後退への懸念が強まったため、円高が一気に進み、株価も最高値から見ると1万円以上下落、悪い要素が一気に重なってしまった。世界で見ても特に日本の株価の下落幅が大きいので、木内さんは『日本が震源地のパニック的な大暴落になった』と表現しています」
「ただ、かつて株価が大暴落した『ブラックマンデー』や『リーマンショック』の時とは違って、世界的な『金融危機』にはまだ、今のところなっていないと分析しています」
藤井キャスター
「この混乱はどのくらい続くんでしょうか?」
小栗解説委員長
「木内さんは、今は『円安バブル崩壊』のまだ『途中』とみていまして、今後、数週間程度は市場の動揺が続く可能性があるということです。ただ、やはりカギを握るのは、アメリカ経済だということです。今後、アメリカの経済が予想以上に下ぶれて不景気になるという不安が高まれば『ドル安・円高』がさらに進んで、それがまた『株の下落』を引き起こす可能性もある。秋に控えるアメリカの大統領選の行方も世界経済に大きな影響を与えるので注視していく必要があるということです」
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水野美紀さん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「新NISAから投資を始めた人は、はじめての乱高下で不安になっている人も多いと思います。予測できない大変な状況ですけれども、勉強の機会だと私自身は思って、資産を守るためにも情報収集していきたいと思います」
(8月6日放送『news zero』より)