“脱炭素”社会実現へ 大企業も動きを加速
政府が掲げる脱炭素社会の実現。環境に優しく、持続可能な経営を目指し、日本の大企業も動きを加速させています。
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栃木県にある日産自動車の工場。330億円を投じてリニューアルされました。ここで作られているのは新型の電気自動車。工場では電動車の動力となるモーターを大量生産する機械を新設。モーターの心臓部コイルが高速で作られています。
さらに塗装の過程でもCO2を削減する仕組みが。ボディとバンパーに4つのロボットが同時に塗装しています。材質が違うためこれまで別々にしていた塗装が、新たな塗料の開発で同時にできます。CO2を25%削減できるといいます。
日産自動車 坂本秀行副社長「車を生産するという過程においてもCO2を出さないという方向にいかなければいけない」
一方、航空業界の脱炭素。カギは「SAF」と呼ばれる燃料です。「SAF」は廃棄された食用油などから作られ、従来の化石由来と比べてCO2を実質8割削減できるといいます。
しかし製造にコストがかかり価格は数倍。そこで全日空が始めたのが脱炭素に取り組む企業に「SAF」を使用した飛行機を貨物便や出張で利用してもらう取り組みです。企業はお金を支払うことで、CO2を削減できます。
一方、全日空は高価なSAFを調達する資金を得て、負担を軽くすることができます。
全日本空輸 平子裕志社長「なるべく安い価格で大量のSAFを調達できるような、国産のSAFを生産できる体制をこれから先作っていかなきゃいけない」
脱炭素社会の実現に向け企業の動きが加速しています。