減税で…10月から「ビール」安くなる? “原材料費の高騰で…”価格を維持する醸造所も
冷たいビールがおいしい季節です。この秋、酒税改正で減税され、今より安く飲めるようになるかもしれません。物価高のなか、朗報となるのでしょうか。
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埼玉・越谷市にあるスーパーで、家庭での“ビール事情”を聞いてみました。
「普段ビール系、第三のビール飲む。割と毎日(飲む)。1日350ミリリットル缶を5~6本。(第三のビールは)ビールの中で一番コストのかからない。お値段一番大事!」
――ビールは飲まない?
「大好きなので、たまに飲む。クーポンで安く手に入る時とか」
“第三のビール”を購入するという別の家族にも聞きました。
「(ビールは)たまには飲みたくなりますけどね」
本当はビールが飲みたいけど、“安いから”と購入する人が多かったのは新ジャンルの“第三のビール”です。さらに安く買おうと工夫している家族もいました。
「6缶パックのだいたいの値段をメモってます」
近所のスーパーをまわり、値段を記録しているのです。
――今日は719円?
「もうちょっとおさえたい。今日は見送りです」
「本来ならビール飲みたい」
ビール好きにはうれしいニュースになるのでしょうか。
10月からビール系飲料の酒税が改正。「ビール」では、350ミリリットル1缶あたりにかかる税金が、現在の70円から63.35円と6円ほど安くなるのです。一方、「発泡酒(麦芽比率25%未満)」は46.99円のまま据え置き。新ジャンルの「第三のビール」は、現在の37.8円から発泡酒と同じ46.99円まで引き上げとなります。
この3つの酒税は、2026年10月には、すべて同じ54.25円になります。
これについて、スーパーの客からは次のような声が聞かれました。
「ビールの方が当然いいので、安くなったらビール買おうかな」
「このビールが安くなるんですよね? うれしいです。一生懸命仕事しているのは、これを飲むため」
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こうしたなか、メーカーも10月の減税をねらって続々と新商品を販売しています。
キリンビール 執行役員マーケティング部長・山田雄一さん
「ビールの裾野をさらに広げていくことにトライしていきます」
キリンは、ビール離れが進む若者にも飲んでもらいたいと、フルーティーで軽やかな後味のビールを新発売しました。
アサヒは、体への負担を考え、アルコール度数3.5%と通常より低めの商品にしました。
サッポロが打ち出すのは、プリン体と糖質70%オフのビールです。
サントリーは、糖質ゼロの黒ビールを作りました。
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ただ、都内にあるクラフトビールの醸造所では少し状況が違うようです。
ベクターブルーイング浅草橋醸造所で造られているのは、フルーティーでさっぱりした後味が魅力だというクラフトビール。10月以降の減税でも安くできないといいます。
ベクターブルーイング浅草橋醸造所 奥村翔太さん
「原材料費が今、すごく高騰していて、とても下げることができない状況」
現在の価格を維持するといいますが、それでも「減税されることによって話題になると、どんなものだろうと飲んでもらえることは期待しています」と話していました。