「全国旅行支援」延長へ 観光地では“期待と不安” 割引率は20%に
「全国旅行支援」が年明け以降も継続されることが発表されました。観光地では期待の声が聞かれる一方で、効果を疑問視する声もありました。
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平日にもかかわらず渋滞がおきていたのは、神奈川県の箱根です。
静岡からの観光客
「ここに来たのも久しぶりだね、30年ぶりくらい?」
静岡から来た団体は…
静岡からの観光客
「家族です」
「楽しいね」
「思い出になったね」
観光地・箱根は、多くの人でにぎわっていました。
大涌谷から引いた源泉かけ流しの露天風呂が売りという旅館「仙郷楼」では、全国旅行支援が始まって以降、客が戻ってきているといいます。
仙郷楼・常務取締役 石村光稔さん
「(年末までは)ありがたいことに満室に近い状況で、コロナ禍が始まる前と比べて、ほぼほぼ変わらないくらいのお客さまがお越しいただいています」
“喜びの声”はそれだけではありません。
仙郷楼・常務取締役 石村光稔さん
「『延長』になるのであれば、ありがたいことだなと」
政府が発表した「全国旅行支援」の延長です。
割引率は、現在の40%(※)から20%になり、公共交通機関を使う旅行商品の割引上限額は、1人1泊8000円(※)が5000円となりますが、年明け以降も延長することが決定しました。(※12月27日宿泊分まで)
また、土産物店などに使える「全国旅行支援クーポン券」は、現在の平日3000円から、年明け以降は2000円となります。(※休日は1000円で変更なし)
箱根の旅館でも延長に期待をよせていました。
仙郷楼・常務取締役 石村光稔さん
「冬の箱根もお楽しみいただければと思います」
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その半面、別の旅館からは“不安の声”も聞かれました。
箱根温泉山荘なかむら 中村重樹代表
「(全国旅行支援は)私どもが実際に作り上げた景気ではないので、政府が主導で作った景気なので」
懸念していたのは、28日も全国で5万人近い感染が発表され、拡大傾向がつづく新型コロナウイルスの影響です。
箱根温泉山荘なかむら 中村重樹代表
「『Go To(トラベル)』の時に非常に景気が上がりましたけど、コロナにまた戻りましたよね。その時にやはりお客さん少なくなって、従業員を切ることになったというのが現状です」
急に支援が終わった時の対応に不安を感じていました。
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また、名物「黒たまご」を販売する「大涌谷 くろたまご館」では、約2年前の『Go To トラベル』に比べて事業規模が小さいためか、土産物に使えるクーポン券の利用数は減少。3分の1ほどと、恩恵が少ないといいます。
そのため期待していたのは、急激に増えているという「外国人観光客」です。コロナ禍で外していた商品などの外国語表記を、再び設置して対応しているということです。
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3年ぶりに行動制限のない年末年始。旅行代理店も力を入れています。
エイチ・アイ・エス広報 宇佐美加奈さん
「がまんされた、あきらめてしまった旅行というのを今年こそはかなえていただきたいという思いから、『リベンジ初夢フェア』として開催します」
コロナ禍で旅行に行けなかった人などに向けて、来年6月分までの“格安ツアー”などの販売をスタートしました。
エイチ・アイ・エス広報 宇佐美加奈さん
「(旅行の)検討材料が増えるということは、お客さまにとっても非常によいことかなとは思います」
「全国旅行支援」の年明け以降の開始時期について、政府は感染状況を踏まえて判断するとしています。