全国の消費者物価指数…1月は「41年4か月ぶり」上昇幅 人々の生活に変化 百貨店は“好調”
24日に発表された先月の全国の消費者物価指数が、41年4か月ぶりの高い水準となりました。止まらぬ物価高騰に、人々の生活も変わってきているようです。一方で、こうした中でも百貨店の売り上げは“好調”だといいます。
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東京・中央区の「おさかな本舗 たいこ茶屋」を訪ねました。脂が乗ったトロに今が旬のブリまで、鮮度抜群のお刺身の“食べ放題”コースがあります。
客
「好きなだけ盛って食べられるのは夢みたい」
「2巡目です」
「結構(物価高が)家計に響くので、このとき、お得にいっぱい食べられれば」
この店舗では、値上げの時代に財布を気にせず、おなかいっぱい食べられます。ただ、店にとっては厳しい状況がありました。
たいこ茶屋 若大将・井上祐輔さん
「実際はやっぱり、海産物の仕入れがどうしても…。マグロは、ざっくり2倍はいってますね」
輸送費高騰などの影響を受け、看板商品のマグロの仕入れ値が倍になり、来月から食べ放題の値段を現在の1700円から400円値上げすることに決めました。
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いまや、物価高は誰もが感じざるを得ない水準になっています。
24日に発表された先月の全国の消費者物価指数は、去年の同じ月と比べ4.2%の上昇と、41年4か月ぶりの高水準になりました。つまり、買い物などにかかる出費が、去年よりも4%ほど多くなっているのです。内訳では、国産の豚肉は10%上昇、たまごは10.7%上昇、マヨネーズは22.3%上昇、マグロなどの生鮮魚介は17.2%上昇などとなっています。
止まらぬ物価高騰に、人々の生活も変わってきているようです。東京・北区の十条銀座商店街では、次のような声が聞かれました。
「あんまりおやつみたいなものは、買わないようにしている。果物とか」
「自転車で20分かけてきました。(野菜などは)地元じゃ高いですから、こちらに来て」
少しでも安いものを求めてひと苦労するなど、様々な努力をしているようでした。
商店街にある総菜店では、原材料費高騰の影響で商品を5円から10円値上げしました。その代わりに、総菜の内容量を増やしたといいます。
鳥大 代表取締役社長・大杉雄造さん
「そのままで値上げするのが一番なんですけど、それだけでは申し訳ないので、あんまり上げちゃうと客離れにつながるので」
工夫を凝らし、客の“買い控え”が起きないようにしていました。
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一方、東京・豊島区にある百貨店の免税カウンターには、多くの紙袋といわゆる“爆買い”をする外国人の姿が見られました。
台湾から来た男性に、買ったものを見せてもらいました。ブランドのベルトは1本9万円以上。男性は「日本はとても安い。免税だしね」と話していました。
こうしたインバウンド需要などで、売り上げは“好調”だといいます。
西武池袋本店・販売促進部 石井朋史担当課長
「売り上げの方も、おかげさまで好調に推移している」
24日に発表された先月の全国の百貨店の売上高は、前の年の同じ月と比べ15.1%増加。物価高にもかかわらず、百貨店の売り上げは絶好調なんです。
さらに、売り上げを伸ばしているのが、スーツなどフォーマルな服だといいます。
買い物に来た人
「息子の3月の卒業式と4月の入学式があって、そのために洋服を探しにきました」
コロナ禍で中止や規模が縮小していた卒業式などが開催されるようになり、売り上げがアップしたということです。
また、年始の帰省や挨拶回りなどが復活したことで、手土産を買う客が増え、売り上げが伸びたといいます。
買い物客
「普段の自分のことだったりは、節制することが増えたけど、こういうところにはお金使ってもいい」
少しぜいたくなものを購入する客も増えていて、売り上げアップにつながっているということです。