ちょっと変わった「スマホゲーム」で街歩き! 電柱探して“貢献”? 高齢者の運動促進や「節電」も
今、ちょっと変わったスマホゲームが話題となっています。スマートフォンを手に外出することで、高齢者の運動を促したり、節電にもつながったりするユニークなゲームが登場しています。
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東京・渋谷区の住宅街で16日、女性がスマートフォンを手に後ろに下がったり、小走りで移動したと思ったら、後ろを振り返ったりしていました。
一体、何をしているのかというと――
カメラに収めていたのは、なんと電柱です。「電柱聖戦」というスマートフォンのゲームイベントに参加しているのです。
「電柱聖戦」は16日から3日間、渋谷区にある約2100本の電柱の写真を専用アプリで撮影・投稿し、コンプリートを目指します。全体や根元など決められた角度で、1本の電柱で4パターン撮影するのがルールです。
ゲーム参加者
「全体も撮れて、根元も撮れて、完了!」
周りの安全を確認しながら撮影を進めます。すると、電柱の見え方も変わってくるのでしょうか。ゲームの参加者は「すごいゴージャス。いろんなのがある」と声をあげます。別の参加者も「こいつは角でしっかり頑張ってる。こいつは『頑張れよ』って思っちゃう」と話しました。
この電柱の撮影には、大きな意義があったのです。
TEKKONチーフビジネスオフィサー 森本作也さん
「ゲームを使って市民の方々に、街にある電柱のデータを撮っていただく。そういうことで(点検のための)画像の収集コストを抑える」
老朽化した電柱を見つけ出し、インフラを維持していくのが狙いだといいます。
6月には、マンホールのイベントも開催されました。Whole Earth Foundationによると、約155万枚の画像が集まり、修繕などに活用されたということです。
中には、テクニシャンもいました。
――今撮ったんですか?
「撮りました」
過去のイベントの覇者で、5万枚を超えるマンホールを撮影してきた“つわもの”です。この日のために練習を積み、「電柱撮影の秘策」を用意してきました。それが、「電柱との距離感」です。
参加者
「だいたい15~20歩の間を下がって撮れば」
15歩が電柱全体が収まる距離だということです。そんな“つわもの”に教えを請う人もいました。
参加者
「後ろから見てください」
「あ~なるほど!」
コツを伝授しながら、撮影を進めていました。
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スマホゲームを使った取り組みは、他にも行われています。
岡林一枝さん(72)
「1730歩。これでいいかな」
東京・府中市は、高齢者の運動機能などの低下を予防するために、スマホゲームを導入しました。5人1組のチームで歩数の目標を設定し、散歩途中に撮影した写真や感想などをチームで共有するということです。
府中市 高齢者支援課 平澤章子さん
「寒かったり、出るのがおっくうだなって思っても、アプリに投稿する写真を撮りに行こうということで、外出する機会も少し増えたりする」
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2023年1月からスタートするのは、節電のためのスマホゲーム「yOUR(ユアワー)」です。指定の施設に外出することで、買い物などに使えるポイントを獲得できます。「家庭の電力消費を抑えること」が狙いだということです。
SBエナジー執行役員 守屋伸祐さん(※“祐”はただしくは「示」に「右」)
「外出自体が節電行動につながる。楽しいとか、そういったところをモチベーションに、節電を行っていただける人もいるのではと」
2か月にわたり、3000人以上が参加する見込みだということです。