春闘集中回答日「去年超え」大幅賃上げ相次ぐも…日銀・植田総裁は評価避ける 一方、地銀会長は「為替・金利への大きな動きは想定しづらい」
春闘での賃上げの動向を、マイナス金利政策を解除するかどうかを判断するための重要な材料と位置づけている日本銀行ですが、植田総裁は13日の国会答弁で、大手企業の大幅な賃上げが相次いだ13日の集中回答日の状況については、評価を避けました。
13日の春闘の集中回答日では、労働組合の要求に対し大手企業から満額回答が続出し、去年を上回る賃上げが相次ぎました。
日本銀行が、来週18・19日の金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除するのではないかという観測が強まる中、春闘での賃上げの動向は、判断材料として大きな焦点となっています。
こうした中、13日午後の参議院予算委員会で日銀の植田総裁は、賃上げの動向について認識を問われました。
植田総裁は、改めて「春季労使交渉の動向は大きなポイントとなる」としたものの、集中回答日の結果については、「組合側から高めの賃上げ要求がみられている中、経営側からも、本日もふくめて多くの回答が今後表明されていく。それおよび、その他、今後公表されるデータ、さまざまなヒアリング情報等を総合的に点検した上で、適切に判断していきたい」と述べるにとどめ、具体的な評価を避けました。
一方、13日に会見した地銀協会の五島久会長は、日銀がマイナス金利政策を解除した場合の金利や為替への影響について、すでに市場が政策修正をある程度織り込んでいるとして、「大きな動きは想定しづらいのではないか」との見方を示しました。