日銀・植田総裁 “春闘”賃上げ回答踏まえ…来週の金融政策決定会合「適切に判断」
日本銀行の植田総裁は12日、来週行われる金融政策決定会合について、今週判明する春闘での大企業の賃上げ回答を踏まえ、「適切な判断を下していきたい」と述べました。
植田総裁は12日の参院財政金融委員会で、景気の現状について、「一部の統計に弱めの動きがうかがわれるものの、緩やかに回復している」と評価しました。その上で、来週18・19日に行われる金融政策決定会合に向けて、「今週またさらに追加的なデータ・情報も入ってくる。そうしたものを総合的に判断して、適切な判断を下していきたい」と述べました。
今週13日から15日にかけて、春闘の集中回答日や第一次集計の公表があり、大企業の回答の状況が判明しますが、日銀は賃金と物価の好循環が実現するかどうかを判断するにあたってこの結果を重視しています。
日銀内では、大企業の回答が強いものとなれば、今月の決定会合でマイナス金利政策の解除などの政策修正に踏み切ることも可能ではないか、との見方が強まっていて、最終的に決定会合で金融政策を決定する9人の政策委員がどのように判断するかが焦点です。