【解説】初日から予約停止の“ナゼ”…全国旅行支援 「さすがに早すぎない?」
ホテル代などが割り引きになる「全国旅行支援」が11日、東京以外で始まりました。初日にもかかわらず、一部の旅行サイトで予約ができないケースも発生し、「さすがに早すぎない?」という声も…。日本テレビの小野解説委員が、詳しく解説します。
■一部サイトで予約受付停止「予算の上限に達したため」
有働由美子キャスター
「全国旅行支援が11日に始まった初日から、Yahoo!トラベルは11日午後10時時点で、岩手、宮城、山形、愛媛、長崎、宮崎で予約受付を停止したと発表しました。ネット上では、『さすがに早すぎない?』とショックの声も出ています。小野さん、確かにきょう、すぐ始まったばかりでということですよね」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「予約受付停止の理由について、Yahoo!トラベルは『予算上限に達したため』としています」
「例えば、山形県で何が起きたのかというと、山形県の場合、国から受け取った予算から全国旅行支援に約45億円を充てています。それを“10月”、“11月”、“12月”と、3回に分けて、配分しようと考えています」
「これをさらに、割り引きを行う『旅行会社・旅行サイト』、『県内のホテル・旅館』に割り振っているわけです。今回、Yahoo!トラベルの場合は予約がたくさん入ったため、10月分の予算を使い切ってしまったということです」
■全国旅行支援「都道府県ごとに予算割り振り」なぜ?
有働キャスター
「とすると、ホテルや旅館に直接、連絡すれば、まだ割引に当てはまるものもある?」
小野委員
「そうなんです。まだ割り引き可能なところもあれば、『配布枠終了』となった旅館もあるわけです。ただ、山形県の場合、11月・12月用に残していた予算がありますから、『想定より早く完売したけど、第2弾を速やかに追加したい』と話しています」
有働キャスター
「そうすると、それも含めて、今後、いろいろ自分でサイトとか、旅館に直接、連絡するとかしないといけないということですかね。それを考えると、『Go Toトラベル』の時は、全国で予約ごとに割り引きだったじゃないですか。あれは便利だったかなと思ったのですけど……」
「今回、なぜ政府は都道府県に予算を割り振るという形にしたのでしょうか?」
小野委員
「そこは、みなさん疑問に思うのではないでしょうか。観光庁に聞いてみたところ、『感染状況次第で、旅行支援を止めらなければならない。都道府県ごとに止められるようにするため』と、話しています」
「『Go Toトラベル』の時は、感染が広がったら、“すべてストップ”ということになっていましたけど、今回は都道府県ごとにすることで、影響を最小限にしようということだそうです」
落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「素人ながら、都道府県ごとに区切るのは、一定の意味があるんじゃないかと思います」
「例えば、沖縄とか、離島とかのイメージを持っていただければ、リソースが限られている所に、感染が広がっている所に、他の地域の人が来て、医療体制をひっ迫させるということは困ったことですけど。逆に言うと、リソースに余裕がある、例えば、他の県に出て行く方向には、別にそこまでの問題ではないというところもあって。そういった段階的な処置がとれるというのは、非常に効果的なんじゃないかと思います」
有働キャスター
「せっかくのこの支援ですから、利用者にも、旅行業界にもわかりやすい、使いやすいシステムに、走りながらでも改善していってほしいとは思います」
(10月11日『news zero』より)