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“マイナ保険証”使える医療機関は「19%」――普及進まず 健康保険証“原則廃止”へ調整 利用者の「負担増」見直しも議論

2022年5月25日 9:33
“マイナ保険証”使える医療機関は「19%」――普及進まず 健康保険証“原則廃止”へ調整 利用者の「負担増」見直しも議論

「マイナ保険証」の普及へ、健康保険証を原則廃止する方向で調整されることになりました。ただ、マイナ保険証には2つの「不便」があり、普及が進んでいません。今後、利用者負担のあり方も含めて議論されますが、普及するには何が必要なのでしょうか?

■「マイナ」普及のため…保険証廃止へ

有働由美子キャスター
「皆さんお持ちの健康保険証ですが、将来的に原則廃止、つまりなくなるかもしれません。政府が6月にまとめる経済財政運営の方針『骨太の方針』に明記する方向で調整されるということです。どういうことなのでしょうか?」

佐藤梨那アナウンサー
「去年10月にスタートした、マイナンバーカードに健康保険証の機能を一体化させた『マイナ保険証』の普及のためです。マイナ保険証が使える医療機関であれば、健康保険証としてだけでなく、診察券や、過去に処方された薬の情報なども1枚だけで共有できます」

有働キャスター
「こう見るととても便利そうだと思いますが、なかなか普及しないのはなぜでしょうか?」

■「ユーザー負担」見直しも議論へ

佐藤アナウンサー
「利用者にとっては『2つの不便』があるからです。まずは、使える医療機関が少ないことです。実際に私たちが使える医療機関は、まだ全体の19%です」

「もう1つは、支払いが増えることです。マイナ保険証を読み込む機械を導入した医療機関では、従来の保険証を使うと初診の際に9円を追加で支払います。一方、マイナ保険証だとシステム上で薬剤情報などの共有に同意した人は初診の追加負担は21円です」

有働キャスター
「多く負担するとなると、やや躊躇します。これはなぜなのでしょうか?」

佐藤アナウンサー
「私たちの支払いが増える分、医療機関の収入も増えるので、システム導入が進むと政府は考えていました。ただユーザーの負担が増えたら利用も広がらないということで、今後見直しも含めて議論される見通しです」

有働キャスター
「マイナ保険証に登録したら7500円分のポイントがもらえるキャンペーンも始まります。機械の設置などで(普及が)進まないということですが、どうしたら良いのでしょうか?」

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「セキュリティ上の問題はあるにせよ、新しい機械を導入するというよりは、今スマホでできることも多いので、つまりソフトで解決できるようなことがあれば(よいと思います)」

「医療機関側のハードウェア不足は何とかなると思うので、とりあえず今あるものを早めに使ってやれるところからやって一気に切り替えていかないと、こういうものはなかなか進まないので」

有働キャスター
「なぜそうしないのでしょうか?」

落合さん
「厳密にはきっとセキュリティの問題が一番大きいのかなと思います。ただ、マイナンバーを読み出すだけなど、ある程度できることもあると思いますが」

有働キャスター
「その辺はうまくいかないものかと思いますが…」

落合さん
「(うまく)いくようにしていただきたいと思いますし、みんな頑張っていると思います」


(5月24日『news zero』より)

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