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【オーバーツーリズム】民家の庭に紙おむつが 交通渋滞も課題 観光客向けのバス運賃・駐車場代を別に設定することも検討へ 太宰府市が対策案を発表 福岡

2024年5月28日 18:25
【オーバーツーリズム】民家の庭に紙おむつが 交通渋滞も課題 観光客向けのバス運賃・駐車場代を別に設定することも検討へ 太宰府市が対策案を発表 福岡
太宰府市が「オーバーツーリズム」対策を発表

旅行者が集中し、住民の暮らしや自然環境に影響が出るオーバーツーリズムが全国で問題となっています。福岡県を代表する観光地がある太宰府市は、観光客を分散するための対策案を発表しました。

■阿部まみフィールドキャスター
「お昼頃の太宰府天満宮です。平日にもかかわらず多くの外国人観光客の姿があります。」

福岡県を代表する観光スポット、太宰府天満宮。

■梅ヶ枝餅を食べる韓国からの旅行者
「おいしいです!」

にぎわいを見せる中で問題となっているのが、観光客が押し寄せ、地元の住民の暮らしなどに支障が出る「オーバーツーリズム」です。

■中村屋・中村光範社長
「せんべいやアイスクリームは掃除は大変です。ハトやスズメが来るし大変。」

こちらの梅ヶ枝餅店では、店の前にゴミのポイ捨てが目立つようになり、ことしに入ってポイ捨てをやめるよう呼びかけるチラシを設置しました。

■阿部フィールドキャスター
「参道の路地入ったところの店、 トイレはここではありませんと書いてあります。」

太宰府天満宮の参道では、観光客の増加でマナーの悪さが目立つようになり、注意を促すポスターや看板が見られます。

ことしのゴールデンウイークに取材した際には、自宅の敷地にゴミを投げ込まれたという住民もいました。

■住民
「レジ袋が落ちているから何かと思ったら、紙おむつが入っていたんですよ。いろいろなところで迷惑行為をされている。」

オーバーツーリズムは全国的にも大きな問題となっています。

山梨県富士河口湖町にあるコンビニエンスストアでは、店の屋根に富士山が載ったような写真が撮影できると話題になり観光客が殺到しました。しかし、撮影のため、交通量が多い道路を横断するなど危険な行為やマナー違反が横行しました。町は苦肉の策として5月、視界を遮る黒幕を設置しました。

太宰府市でも、住民や参道の店からオーバーツーリズムへの対策を求める声が上がっています。

■参道の店
「お客様には買ったところで回収するので、ポイ捨てしないでくださいと呼びかけてほしい。」
「ゴミのポイ捨てもあるし、目が届かないと注意のしようがない。市長から発信していただいたらよりよいのかなと。」

こうした意見を踏まえ、太宰府市はオーバーツリズム対策としておよそ3000万円の補正予算案を組みました。

■太宰府市・楠田大蔵 市長
「太宰府市は人口7万人の100倍を超える観光客が来る。 代表的なオーバーツリズムの町でもあるので、国・県の協力をいただきながら、本格的なオーバーツリズム対策に乗り出していきたい。」

対策案では、市や太宰府天満宮、地元住民をメンバーとしたオーバーツーリズム対策会議を設置します。

市は交通渋滞を最大の課題としていて、対策会議でコミュニティーバスの運賃や駐車場の利用料金を、観光客と市民で別々に設定することなどを検討します。

■楠田市長
「特に初詣シーズン。市民が市外に買い物に行くのも不自由する状況。通学の子どもたちも紅葉シーズンなど観光客が多いシーズンはコミュニティーバスに乗れない。」

また、観光客の分散を図るため、西鉄太宰府駅の構内や観光案内所などに、周辺エリアへの回遊を促す観光情報を発信するデジタルサイネージを設置します。

これらの案は5月31日から開かれる市議会で審議されます。

観光客に新たな負担を求めながら観光地としてのにぎわいを保つ一方で、地域住民の暮らしを守るというバランスの取れた対策が求められています。

では、改めて太宰府市の対策案を見てみましょう。

①まずは、市と太宰府天満宮・参道の事業者・地元住民などで構成した会議を設置します。会議では観光客のおもてなしやオーバーツリズム対策について話し合います。

②次に、西鉄太宰府駅構内や観光案内所に周辺の観光スポットを紹介するデジタルサイネージを新たに設置し、観光客の分散化を図ります。

③さらに、福岡空港にできる新しい国際観光案内所に「太宰府コンシェルジュ」を設置します。外国人観光客を誘致するとともに、マナー啓発を行う予定です。

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