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売るだけでなくファンを作れ! 注目の「ファンマーケティング」とは

2023年11月11日 7:00
売るだけでなくファンを作れ! 注目の「ファンマーケティング」とは

「新型コロナウイルス」が、感染症法上の「5類」に移行して半年…。私たちの暮らしも大きく変わりました。
そして今注目を集めるのが、「ファンマーケティング」です。
それはいったい何なのか?どのように利用されているのか?取材しました。

■マザーハウス 山口絵理子社長
「かわいそうだから買うという慈善の話でもなくて、これを買ってすごく気分が晴れやかになるような本当に価値のある物をメイドインバングラデシュで作れる可能性があるならそこに人生を捧げたいなと」

こう語るのは、バッグなどを製造・販売する「マザーハウス」の、山口絵理子社長です。
「マザーハウス」は、アジアの途上国の素材と労働力をいかして、製品を製造・加工…。販売まで手がけています。
広島には、半年前に出店しました。
山口社長は、単身バングラデシュに渡り、24歳で起業…。商品のデザインも手がけます。
会場では、幅広い年代の聴衆が、直接社長に質問を投げかけたり意見を伝えたりと、様々な交流を図りました。

■参加者
女性「身近に感じられるイベントは楽しかったし、今後もし広島にいらっしゃる機会があったらより深いところをお聞きできればうれしい」」

■山口社長
「バッグの向こう側というのがきちんとある会社だと思っているので、それも含めて応援してくれたら嬉しいという思いで話すようにしています」

商品を売るだけではなく、応援してくれる「ファン」を作る…。
そんな「ファンマーケティング」実践の一例です。

■県立広島大学 江戸克栄教授
「もともとは顧客を作るためのマーケティングの一つ。顧客の中でも支持をしてくれる度合いが高い人たちを、ファンと呼んでいた。そのファンを作るためのマーケティングがファンマーケティング」

「ファン」とは何でしょうか…。
ある商品を買う場合、購入する人全体が「消費者」です。
そして、どの製品を選んだかで、そのメーカーの「顧客」となります。
「顧客」のうち、熱心に支持してくれるのが、「ファン」です。
そして「コロナ禍」で外出がままならない中、企業の生き残りに貢献したのが、「ファン」でした。

■江戸教授
「コロナになって顧客、お客さんが離れていった中でも熱狂的なファンがついているところは売り上げ維持できた。そういったところからファンづくりの重要性が増していったと思う」

広島で「ファン」と言えば、カープ…。
2014年には、球団が新幹線代を負担して関東の女性ファンを招待するなど、ファンづくりに力を注ぎます。
自動車メーカーのマツダも、9月に5年ぶりとなる交流イベントを開くなど、販売戦略上からも「ファン」を意識します。

■江戸教授
「ファンを作り出すという意味でファンマーケティングの一つ」
Q.メリットはどんな点が?
「ファン同士からSNSを通じて商品やサービスのいいところを宣伝してもらう、売り上げ自体も安定するというメリットがある」


創業100年余りの調味料メーカー「オタフクソース」…。
老舗企業も、ファンには敏感です。
ことし2月、交流サイト「オタフクラブ」を開設…。
ファン同士、そしてファンと企業との交流が活発になったと言います。

■オタフク柴田尚子さん
「コロナ禍で直接の繋がりが持てない中でこれまで応援して下さった皆様とつながりたい、長期で継続したコミュニケーション、関係づくりに目を向けるようになった」

11月7日に開かれた「ほっとおたふくサロン」…。サイト上の「オタフクラブ」を通じて参加者を募りました。
広報誌「ほっとおたふく」を制作するスタッフが、掲載したレシピを実演して、要点を伝授…。試食しながら、裏話を聞いたり、アイデアを語り合うなど、新たな交流の輪が生まれました。

■参加者
女性
「最新の商品を使ったレシピを交換したりココのお店にこんなの入っているよとかオタフクさんの応援団みたいな感じでやっている」
男性
「こういう企画をして私たちの話を聞いてくれてアイデアを出し合ったら面白いことになると思う」
■オタフク担当者
「新しい一つの形としてオンラインとリアルどちらも活用できるという点で、応援して下さる方とともに商品やサービスを一緒に考えて作って楽しい輪を広げていきたい」

商品やサービスの熱心なファンを作り出す「ファンマーケティング」…。
消費者・企業双方に、新たなメリットを生み出す可能性を秘めたこの企業戦略は、ますます拡大する気配です。
【2023年11月9日放送】

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