『復刻メガネも登場』新千円札の顔・北里柴三郎 出身地・熊本の盛り上がりを取材
7月3日に新しい紙幣が発行されます。千円札の顔に選ばれたのは熊本の偉人、北里柴三郎です。新札発行を前に盛り上がる熊本県内を取材しました。
新しい千円札の顔になる小国町出身の北里柴三郎。近代日本医学の父の知名度は?
(熊本市で街頭インタビュー)
Qこの人知ってる?
■女性2人
「誰?分からない」
■男性
「柴三郎。細菌学者。小国町北里出身。私は小国町出身だもん。小さい時は、柴三郎の月命日に学校の先生が墓掃除に連れて行ってくれた」
■女性
「北里柴三郎。決まって熊本が活性化するといいですね」
■女性2人
「北里柴三郎。お札になってうれしい。千円札は一番使うからいい」
北里柴三郎の出身地、小国町では新札発行にちなんだ町おこしが始まっています。町内のそば屋さんでは…。
(店の人)「祝いそばです!」
千円札にちなんで1000円のそば定食が登場しました。
クラフトビールの醸造所では柴三郎の留学先、ドイツのビールを2種類開発しました。もちろん、値段はどちらも1000円。すっきりとした味わいが楽しめます。
柴三郎の歴史やゆかりのものを紹介する記念館は去年に比べ、来場者が2倍~3倍に増えています。柴三郎のひ孫にあたる館長は…。
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■北里柴三郎記念館 北里英郎館長
「柴三郎が感じた風、音、景色を楽しんで欲しい。こんなに自然に囲まれた記念館は珍しいと思うので、ぜひお越しください」
記念館の中には数々の柴三郎グッズが並びます。中には、町の特産小国杉を使った「だるま」も。顔の部分は柴三郎風に。その下には柴三郎が残した言葉を入れました。このだるまを手がけるのは町の木材加工業者です。
■小国町の木材加工業者 吉野正敏さん(70)
「約10年前から作っている。北里柴三郎の本を読み感銘を受けた。北里氏が人生の問題を乗り越え、成し遂げていく姿を模して七転び八起のだるまを作った」
だるまの顔や書も、形を作るのも、全て柴三郎を愛する小国町の人です。特産の小国杉で作っただるまを通して、柴三郎と小国町のことを知るきっかけになればと願っています。
■小国町の木材加工業者 吉野正敏さん(70)
「北里博士の偉業をたくさんの人にもっと知ってもらって、地元として誇っていいと思う」
盛り上がっているのは小国町だけではありません。熊本市内でも新札発行にちなんだ商品が生まれています。繁華街にあるメガネ店では、6月から北里柴三郎モデルのメガネを販売しています。
大正時代を思わせるクラシックなデザイン。国産メガネの一大産地、福井県鯖江市の職人にオーダーメードしました。
■メガネの大宝堂 布田善久社長
「柴三郎はメガネがトレードマークというところがあったので、メガネを復刻したいと記念館からオーダーがあり、1年~1年半かけて復刻した。北里先生がつけていたメガネの実物は残っていなかったため、写真などを参考にしながら復刻した。ぜひ多くの人に手に取ってほしい」
約20年ぶりに新しくなる紙幣をきっかけに、熊本の偉人の歴史を振り返る機会にもなりそうです。