【熊本市電】来年6月に運賃引き上げ方針 180円→200円で30年間の累積収支黒字
熊本市交通局によりますと、熊本市電は昨年度、市の助成金などを除くと約5700万円の赤字となりました。また、今後も人件費の上昇や物価の高騰などが見込まれるとして、運賃を引き上げる方針を決めたということです。
現時点で具体的な引き上げ額は決まっていませんが、今の運賃180円を200円にした場合、今後30年間の累積収支は黒字になると試算しています。改定額は九州運輸局との協議や市民アンケートなどを踏まえたうえで決定し、来年6月をめどに改定を目指す方針です。
熊本市電の運賃は2016年2月に150円から170円に、去年6月には170円から180円に引き上げられていて、今回の改定が行われれば、この10年で3回目の引き上げとなります。
一方、26日は重大な事故につながるおそれのあるトラブルが相次いだことを受けて設置された検証委員会の2回目の会合が開かれました。
委員からは、運転士へのヒヤリングを行った結果、現金払いに対応する中で「時刻通りに出発しなければならない」といった心理的な不安がミスにつながっている可能性があるなどの意見が出ました。
また、交通局からは再発防止策として、5月に赤信号で電車が発車したトラブルがあった上熊本電停の信号に補助表示を設置する案などが示されました。
検証委員会は7月に中間報告をまとめ短期的な対策を市に提出し、年内をめどに長期的な再発対策をまとめる予定です。