7月発行の新紙幣 券売機など対応の進み具合は
7月に20年ぶりに新しくなる紙幣。富山県内でも、各企業が新紙幣への対応を急ピッチで進めています。
一方、事業者からは、物価高に苦しむ中、設備の更新費用がかさむことに困惑する声も上がっています。
7月3日に発行が始まる新紙幣。新1万円札には渋沢栄一、新5千円札には津田梅子、新千円札には北里柴三郎の肖像がデザインされています。
デザイン変更は20年ぶりで、新たな偽造防止技術を取り入れたほか、視覚に障害がある人にも使いやすくする工夫をしています。
佐伯アナウンサー「こちらの新紙幣、みなさんどう感じているんでしょうか」
佐伯「いつ発行されるかわかりますか」女子高校生「2025年?」佐伯「実は7月」高校生「え~」
女性「コインパーキングとかで今、新しい500円玉使えないので、新しいお札も使えないところがでてくるのかなと」
富山市のラーメン店では、新紙幣に対応するには券売機内部の装置を更新する必要があるといいます。
中村剛志店主「かかって10万円ぐらいかなと思っていたんですけど、実際取り替える段階で話を聞くと、メーカーが50万円くらいって。6月末までには間に合うようにすると聞いているんですけど、今結構立て込んでいると聞いていて」
原材料の高騰など物価高に悩まされる中、痛い出費だといいます。
中村店主「原材料はぎりぎり企業努力でがんばってはいるんですけど、ちょっと痛いですね」
県内の鉄道各社も新紙幣の対応に追われています。あいの風とやま鉄道は券売機の更新を済ませたとしています。
一方、JR西日本と富山地方鉄道は、券売機や運賃箱の更新作業を進めていますが、一部は新紙幣発行の7月3日までに更新が間に合わない見込みです。
万葉線は運賃箱の更新が間に合うか未定としています。
各社は更新が間に合わない場合、新紙幣で切符の購入を希望する人に対し、乗務員や駅員が対応するとしています。
また、県内に7千台以上の自動販売機を置く北陸コカ・コーラボトリングは、利用頻度の高い販売機から順番に装置の交換や更新を進めていますが、新紙幣発行以降も作業が続く見込みとしています。
東京都や愛知県では、新紙幣発行にともなう券売機などの改修費用の補助を行う自治体もありますが、県内で予定している自治体はありません。
また現在の紙幣は、新紙幣が発行されたあとも、これまでと変わらず使うことができます。紙幣を発行する日本銀行は「従来の紙幣が使えなくなる」などの誤った情報や詐欺に注意するよう呼びかけています。