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青森寄港クルーズ船の経済効果は?外国人客が多く挙げた中心部の課題とは…来年は開港400年で今年上回る寄港も

2024年12月24日 6:00
青森寄港クルーズ船の経済効果は?外国人客が多く挙げた中心部の課題とは…来年は開港400年で今年上回る寄港も

ことし青森港にきたクルーズ船の経済効果は過去最も多い7億5,000万円と推計されています。
ただ外国人客を調査すると多くの課題も見えてきました。

クルーズ船の外国人でにぎわう青森市の中心部。
港のすぐ近くで食や文化を楽しめると評価する一方で、こんな声も…。

★ドイツから
「クレジットカードで支払いができなくて」
★アメリカから
「バス停は何を書いているか全くわからないよ」
★ニュージーランドから
「メニューが全部日本語でわかりません」

そこで青森商工会議所は10月に青森に来たクルーズ船の外国人客と中心商店街に対しアンケート調査をしました。
外国人が困ったこととして多く挙げたのは「道路標識や地図に英語が少ない」、「バスの時刻表に英語がない」などでした。

実際に見てみると…。

★青森放送 菅原厚キャスター
「青森駅前のバス停市営バスですが、こちら昭和大仏行き各停留所が英語表記されていてひじょうにわかりやすく便利です。ただ時刻表に目を移しますと、こちらには英語表記はなくこれだと行き先に迷われる方もいらっしゃるかもしれません」

調査結果に青森市は…。

★青森市 西秀記市長
「外国語の表記に関しては若干遅れ気味のところがありますけれども多言語化を進めていきたい」
「商店街や民間の企業の方が頑張ってもらいたいところではあるが行政としても支援できることがあればいろいろとやっていきたい」

買い物場所で最も多かったのが「商店街」です。
「青森駅」や「アスパム」をはるかに上回り47%に上りました。
ただ…

★青森商工会議所 倉橋純造会頭
「店の外見だけでは何の店かわからないと」
「決済の方法がどういうカードが使えるのか使えないのか現金(だけ)なのかということを外(店先)に出してほしいということをよく言われました」
「(店内に)入ってしまうと店の方は一生懸命にやってくれて、ひじょうに親しみやすく優しいという評価もいただいている。まだまだ掘り下げて稼ぐ力を養っていくことができれば」

早朝の寄港が多いクルーズ船。
「商店街の多くの店が閉まっていた」、「営業時間がホームページと異なる」、「食品以外のお土産を増やしてほしい」などの意見が寄せられました。
「フォトスポットがほしい」、「Wi-Fi環境を整えてほしい」という声も。
商店街の店のおよそ6割が外国人向けの取り組みをしていると答えました。
しかし、キャッシュレス決済は7割利用客向けのWi-Fiやそれに翻訳ソフトの導入は2割から3割の導入にとどまっています。
商店街の人は…。

★ファッション・イン甲州屋 内藤亘社長
「SNSの時代でそれによってお客様が増えるという店もあるのでWi-Fiであるとかもう少し今もあるが」
「これから商店街としては強化していく部分かな」

新町商店街振興組合は「開港400年を迎える来年はお店に開店時間を早めてもらう取り組みなどを検討していく」としています。
ことし青森港には過去最多の36隻のクルーズ船が寄港。
経済効果は過去最も多い7億5,000万円と試算されています。
専門家は国ごとに好みや傾向が違うことも理解し店先にわかりやすい表記が必要だと話します。

★あおもり創生パートナーズ 松田英嗣取締役
「外国語表記などはもっと工夫した方が良い」
「この店は入っても良いお店なんだということを外から見ただけで外国人に理解していただくと」
「行政なり業界団体なりからいつ、どんな国籍の方々が何人くらい青森港に降り立つのか そういった情報を事前に流してあげる必要もある」

来年はことしを上回る寄港が見込まれていて、街全体で外国人の消費を取り込む施策の実行が求められています。

最終更新日:2024年12月24日 6:01
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