戦争長期化の中でも“芸術を守り続ける重要性” ウクライナ名門バレエ団、都内で会見
来日しているウクライナの名門バレエ団が4日、東京都内で会見し、戦争が長期化する中でも芸術を守り続けていくことの重要性について語りました。
ウクライナ国立バレエ団は先月来日し、日本各地で公演を行っています。侵攻からまもなく1年半を迎える中、ダンサーのニキータ・スハルコフさんは、戦争の長期化が演技にも影響を与えているといいます。
ニキータ・スハルコフさん「(戦争を経て)私の公演や役の演じ方は変わりました。演じる役の中には私自身の一部が入っているからです。戦争は間違いなく、私に影響を与えたのです」
戦争で稽古もままならない中、バレエ団は、この1年半、世界各地で公演を続けてきました。
ニキータ・スハルコフさん「今でもキーウでは毎日、空襲警報が鳴り響いています。私たちの最も重要な使命はウクライナのバレエを守ることです」
今回、日本では義援金1700万円が集まり、その一部はバレエ団が新たな作品を準備するための費用に使われています。
芸術監督を務める寺田宜弘さんは、新しい作品へのチャレンジについて、次のように語ります。
寺田宜弘さん「なぜ戦争の時代に新しいものを創っていくかというと、残ってくれている団員たちに夢を与えないといけない。昔からウクライナにある古典バレエと、ヨーロッパにある創作バレエを一つにする。そうすれば、きっと新しいウクライナの芸術、バレエが生まれると私は考えています」
ウクライナ国立バレエ団は、12月に再度来日し、冬の公演を行う予定です。