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「核兵器は人類と共存できない」ノーベル平和賞授賞式で日本被団協・田中熙巳さんがスピーチ

2024年12月11日 5:15
「核兵器は人類と共存できない」ノーベル平和賞授賞式で日本被団協・田中熙巳さんがスピーチ

日本時間10日夜、ノーベル平和賞の授賞式がノルウェーの首都オスロで行われ、日本被団協が登壇しました。核の脅威が高まる世界に向けて、代表団は「核兵器は人類と共存できない」と訴えました。

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日本時間10日午後9時ごろ、ノルウェー・オスロで行われたノーベル平和賞の授賞式に日本被団協が登壇。代表委員の田中熙巳さんが、受賞のスピーチを行いました。

長崎で被爆 日本被団協・田中熙巳代表委員(92)
「私は長崎原爆の被爆者の一人であります。麓に下りていく道筋の家はすべて焼け落ち、その周りに遺体が放置され…」「核兵器は一発たりとも持ってはいけないというのが、原爆被害者の心からの願いであります」

「想像してみてください。直ちに発射できる核弾頭が4000発もあるということ。核兵器は人類と共存できない、共存させてはならないという信念が根付くこと、自国の政府の核政策を変えさせる力になることを私たちは願っています。核兵器も戦争もない世界の人間社会を求めて、ともに頑張りましょう」

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歴史的な授賞式を見守ったのは、被爆地の広島。そして、長崎でも…。

学生(長崎市、10日午後10時ごろ)
「思いを同じ世代の人を巻き込んでいって、日本全国で世論を作る存在になりたい」

被団協のノーベル平和賞受賞によって、世界に届けられた被爆者の声。なぜ、今なのか…。

──被団協が受賞した意味は?

ノーベル平和センター アンドレ・アベリン氏
「被団協の活動が、現在起きている問題(戦争)に関係があるからです。今、間違いなく核兵器使用の脅威があります。私たちは今こそ、考えないといけないんです」

中東やウクライナをはじめ、世界が核の脅威にさらされている今だからこそ…

ノルウェー・ノーベル委員会 フリードネス委員長
「ノルウェー・ノーベル委員会は、自らの経験を生かして、平和への希望に尽力することを選んだすべての被爆者の方々を、ここに称えたいと思います」

長年にわたり、世界に核兵器廃絶を訴えてきた被団協。次の世代へ…。

日本被団協・田中熙巳代表委員(92)
「原爆被害者の現在の平均年齢は85歳。これからは、私たちがやってきた運動を、次の世代の皆さんが工夫して築いていくことを期待しています」

■戦争・紛争が続く今…平和への思い

長濱ねるさん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「来年戦後80年というこのタイミングで、受賞されたことは本当に意味があると思いました。戦争や紛争がなかなかなくならない今だからこそ、世界がまだ平和を諦めていない、戦争に対してNOを突きつけているというメッセージをしっかり感じることができました」

「私自身、長崎出身の被爆3世として、小学生の頃から平和活動、平和学習を受けてきました。原爆が投下された時間には、私も毎年、黙とうするようにしています。しかし上京すると、その日・その時間に対して周りとの温度差を感じることもありました。だからこそ今回の受賞は本当にうれしかったです。改めて私自身が下の世代に、皆さんの思いをきちんと語り継いでいかなければいけないなと思いました」

藤井貴彦キャスター
「スピーチをした田中さんは今でこそ92歳ですが、スピーチをし、語りかけたのは13歳の田中少年の記憶です。今日、世界中に平和のバトンが広がりました。被爆した少年たちが手渡し続けたこのバトンを、世界中の人が受け取ってくれることを願っています」

(12月10日放送『news zero』より)

最終更新日:2024年12月11日 5:15