【注目の人物紹介】「核なき世界実現」訴え…日本被団協・田中煕巳さん(92) 今夜、ノーベル平和賞授賞式に
「news every.」が注目の人物を取り上げる「4時コレPerson」。10日は、ノーベル平和賞を受賞する日本被団協の田中煕巳(たなか・てるみ)代表委員、92歳。田中さんは「核なき世界実現」を訴え続ける被団協の代表として、10日夜、授賞式に登壇します。
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ノルウェー・オスロで、日本時間9日夜…
長崎で被爆 日本被団協・田中煕巳代表委員(92)
「私どもの運動の成果が初めてと言うと申し訳ないが、ノーベル委員会にも認められたし、それを通して世界の人たちに認めていただけることになったんだと」
日本被団協の田中煕巳代表委員、92歳。
日本被団協・田中煕巳代表委員(92)
「広島と長崎で核兵器を使ったら、どういうことが起こるか、人間社会に対してどういうことが起こるか、人間の命に対してどういうことが起こるか、そういうことを目撃し体験しました。その体験から核兵器は持ってはいけない、使ってはいけないと叫び続けてきた」
「核兵器で本当に守れるか、国が守れるか、国民の命や財産を守れるか。核兵器による抑止力は存立し得ない」
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1932年、4人きょうだいの二男として、旧満州に生まれた田中さん。5歳の時に父親が急死し、親戚が暮らしていた長崎市に移り住みました。
そして、1945年8月9日。13歳の時に被爆、家族を失いました。
自身の半生をかけて、核廃絶を求めてきた田中さん。
日本被団協・田中煕巳代表委員(92)
「その過程で、何十人何百人と仲間が亡くなっていきました。長くない人生の中でも最大限の力を振り絞って、核兵器は人類と共存させてはならない兵器だと、若い人たちに伝えていきたい。核兵器が使われるかどうかは、未来の問題」
10日夜、日本被団協を代表して授賞式に臨みます。
7年前、ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンがノーベル平和賞を受賞した時も、ノルウェーに渡っていた田中さん。同じ被爆者・サーロー節子さんの核廃絶の訴えを間近で聞きました。
日本被団協・田中煕巳代表委員(当時85)2017年
「オスロに来る度に、あそこに行って、いつかはここで受賞したいと話していた」
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その舞台で、今度は田中さんが核廃絶を訴えます。
日本被団協・田中煕巳代表委員(92)
「ものすごく重圧を感じている。(原稿を)読み返してみると、もうちょっとじゃない。もうかなり別の表現をした方が、よかったんじゃないかと反省をしたりして、本当にあしたが不安で不安でしょうがない。言葉は残りますので、私のいろんな経験も含めて入れた方がいいだろうか、被団協の具体的な運動を入れた方がいいだろうか、そういうふうに迷ってるうちに、私のよかったという原稿に、正直言ってなっていない。それが最大の重圧です」
そして、授賞式の前日会見をこう締めくくりました。
日本被団協・田中煕巳代表委員(92)
「核兵器も戦争もない世界を作りたい。核兵器も戦争もない世界を作ろうと言っている。そのためには被爆者がいなくなっても、被爆者の意志は、生きている間そう言っていた。世界にあったんだと、みなさんで、特にマスコミで多くの人に伝えていっていただきたい」
「核なき世界の実現を」
10日午後9時に開かれる授賞式で、田中さんは世界に向けて発信します。