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経済制裁で市民の生活に影響 ロシアから脱出する人も…

2022年3月24日 18:15

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1か月。ロシアでは軍事侵攻に対する経済制裁で、市民の生活にも影響が出始めています。こうした中、ロシアから脱出する人も増えています。



20日のロシア・モスクワ。平穏な光景が広がる一方で、人々は制裁の影響を感じ始めていました。

ロシアの人からは「紙おむつの値段が2倍になりました。あっという間に」「アイスクリームがすごく高くなって、びっくりしました」などという声が聞かれました。

物価の上昇や西側企業の撤退など、目に見える変化が起き始めています。

現地でビジネスを営む日本人も――

ロシアで日本食材を輸入・販売 村田知義さん
「これですね、これは本マグロ」

ロシアでも人気だという本マグロですが、新鮮な魚介類などの日本からの輸入は完全にストップしているということです。

ロシアで日本食材を輸入・販売 村田知義さん
「前までは1回のエア便で200~300キロくらい持ってきたんですが、今はここにある分だけになりました」

売り上げはすでに7割も減ってしまいましたが、状況はさらに悪化するとみています。



制裁で先の見えない不安が広がり始めたロシアでは、国を脱出する人も増えています。

隣国のフィンランドに到着した列車。ウクライナ侵攻後に空の便が制限される中、多くのロシア人がこの列車で出国しているといいます。

ロシアの今後に不安を覚え、国外に住む息子夫婦と暮らすため出国した夫婦に取材したところ、「国境が閉鎖されるのではと思ったんです」と話します。さらに――

「今ロシアでは人々が2つに分かれています。政府の政策を支持するか、そうでないかです。内戦ではないし、銃撃もありませんが、空気は(お互いへの)憎しみに満ちています」と不安な表情を浮かべました。

軍事侵攻への支持をめぐり、分断が深まっているといいます。



ロシア24(22日夜放送)
「マリウポリからの避難住民は安全な場所にいて、全員に必要な援助が与えられているということです。住民は(ウクライナの)ネオナチたちの恐ろしい犯罪行為を証言しました。極右勢力が街を破壊し、空港を刑務所としたことについてリポートです」

ロシア当局は、軍事侵攻を正当化する報道一色となっているロシア国内。言論への締めつけも強まっています。軍に関して「うそ」だとみなす情報を広めた場合、最長で禁錮15年を科す法改正をしました。

ロシア軍の行動を「侵略戦争」と非難したブロガーに対し、早速、捜査当局報道官が「この人物は、ロシア軍がウクライナの町を破壊し、市民を殺すという規律違反行為をしていると真実のニュースを装って公開した」と述べ、法律に違反した疑いで、あわせて3人の捜査に着手したと発表しました。



報道の自由が失われる中、ロシアの外に拠点を置き、報道を続けるメディアもあります。

独立系ネットメディアの「メドゥーザ」は、取り締まりを避けるため隣国のラトビアに拠点を置き、「マリウポリは1週間以上包囲されている。けれども、ロシアは街を砲撃し続けている」などと、ロシア軍の軍事侵攻を伝え続けています。

メドゥーザ広報担当 エカテリーナ・アブラモワさん
「ロシアのニュースをロシアの読者のために、ロシア語で書いています。去年、『外国のスパイ』と指定されました。戦争を『戦争』といっただけで、15年ろう獄に入るかもしれない。ロシアのメディア産業、ジャーナリズムは破壊されました」

一方で、軍事侵攻が始まった後、ロシアからとみられるアクセスは6倍に急増したということです。

メドゥーザ広報担当 エカテリーナ・アブラモワさん
「我々は今起きていることを『戦争』と呼び、読者たちに真実を伝えています。ロシアの人たちが、何が起きているのかを知ることは重要だからです」

ウクライナへの軍事侵攻から1か月。報道の自由をめぐる戦いも続いています。