国連機関「OCHA」職員20%削減へ トランプ政権の対外援助見直しが影響か

国連機関であるOCHAは、資金不足により職員の20%を削減すると明らかにしました。アメリカのトランプ政権による対外援助の見直しが影響しているとみられます。
OCHA=国連人道問題調整事務所は、10日までに公開したトム・フレッチャー事務次長による職員への通知文書で今年の予算がおよそ6000万ドル不足することを受け、全職員の20%を削減すると明らかにしました。
ロイター通信は、OCHAの最大の資金拠出国であるアメリカが、トランプ政権下で対外援助の見直しを行い、拠出金が削減されたことが影響していると報じています。
フレッチャー氏は、人員削減について「予算削減によって行われるものだ。逆に、人道支援のニーズはこれまでにないほど高まっている」としています。
これに対し、国連が任命した人権問題に関する報告を担当する独立専門家チームのセシリア・バリエ氏は、「軍事予算の大幅な増加と照らし合わせると、最近のアメリカによる資金削減は懸念すべきことだと考える。外交・平和的な紛争解決・教育に基づく世界的な平和文化の強化への投資が急務だ」と主張しています。
また、シンクタンク「国際危機グループ」で国連を担当するリチャード・ゴーワン氏は、「資金削減により国連が支援できる脆弱な人々の数は減り、場合によっては、この大幅な削減が不安定化や暴力につながるリスクもある」と警鐘を鳴らしています。