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多様な性“ジェンダー代名詞”とは?

2022年1月22日 11:21
多様な性“ジェンダー代名詞”とは?

アメリカではメールの署名やSNSのプロフィル欄で彼・彼女・彼らを意味する「he」「she」「they」などの自身の代名詞を記入する人が増えています。“ジェンダー代名詞”といわれるものですが、その使われ方とは?

■プロフィル欄の「he/his」「she/her」とは?

海外の人のSNSやメールの署名欄で、名前の横に「he/his」や「she/her」など代名詞が添えられているのを見たことがある人もいると思います。「ジェンダー代名詞」と呼ばれるもので、生まれた時に割り当てられた性別(男/女)ではなく、自認する性別を表すもので「自分が呼ばれたい代名詞」がプロフィルに添えられる形になっています。

男性を自認する人なら「he/his」、女性を自認する人なら「she/her」性自認が男性でも女性でもなくどちらの枠組みにも当てはめない「ノンバイナリー」の人は「they/their」などを使用します。

■ズームやインスタも「ジェンダー代名詞」に対応

実はインスタグラムやズームのプロフィル欄にも「ジェンダー代名詞」欄が設けられ、自認する性別を記入できるようになっています。さらには、アメリカの大統領官邸ホワイトハウスの問い合わせフォームにも、氏名以外に「ジェンダー代名詞」の入力欄があるんです。

イギリスのシンガー・ソングライター、サム・スミスさんのインスタグラムには「they/them」。歌手・宇多田ヒカルさんのインスタグラムには「she/they」と記載されています。

■単数形の「they」…辞書にも新たな意味で登録

アメリカの辞書、「メリアム=ウェブスター」は2019年の“今年の言葉”に「they」を選びました。「they」は今や、「彼ら」という意味だけではなく、ノンバイナリーの代名詞としての新たな意味が辞書には追加されているんです。

アメリカの人権団体ヒューマンライツキャンペーン財団は、名前と代名詞は個人的なものだとした上で、その人が希望する代名詞を他人が使用することは、相互尊重と基本的な礼儀の一つだとしています。実社会でも「ジェンダー代名詞」を意識して人を呼ぶという動きも増えているということです。

■LGBTQ当事者…「小さいことだが大きな変化」

ゲイ当事者として、SNSで「He/Him/His」のジェンダー代名詞を使用するアメリカ在住の大学教授は私たちの取材に対し、「ジェンダー代名詞は、LGBTQの仲間が職場で快適に過ごせるように手助けをする役割もある。小さいことが誰かの人生に大きな変化をもたらしている」と話しています。

ペンシルベニア大学LGBTセンターのエリン・クロス博士は「ジェンダー代名詞を使ってどんな三人称で呼ばれたいかを示すことで主体的になれるとした上で、職場では、自分らしさが発揮でき生産性などが向上する」としています。

■Mr.Ms.に次いで“Mx.”表記も

アメリカの人権団体ヒューマンライツキャンペーン財団は、男性を現すMr.(ミスター)女性を現すMs.(ミズ)という表記も今後は男女を包括的に現す“Mx.”(ミックス)に変更されるかもしれないと述べています。

写真:アフロ

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