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製造元の地元は「沈黙」 ギョーザ中毒事件

2010年3月29日 13:11

 中国製冷凍ギョーザによる薬物中毒事件で、河北省石家荘にある製造元の「天洋食品」と地元政府は沈黙を続け、地元メディアも事件をほとんど報じていない。政府による情報統制が行われているとみられる。

 逮捕された天洋食品の元臨時従業員・呂月庭容疑者は貧しい農村の出身で、父親は「息子の生活は苦しそうだった」と語った。

 今回の逮捕について、地元の新聞各紙は、逮捕を報じる短い記事以外は全く報じていない。08年の事件発覚後は、地元政府と天洋食品は会見などを積極的に開いていた。しかし、今回は会見やコメントの発表はなく、沈黙している。天洋食品は、河北省政府が経営する国営企業にあたる。天洋食品の親会社の職員は犯人逮捕について「知らない」と話している。

 国営メディアも、逮捕を伝えて以降は「日本の岡田外相が捜査に感謝した」と短く報じただけで、国内への波及を避けたい中国政府による情報統制が行われているとみられる。