日米首脳会談 漁船衝突事件で緊密に連携
菅首相は23日、訪問先のアメリカ・ニューヨークでアメリカ・オバマ大統領と会談し、沖縄・尖閣諸島沖での海上保安庁の巡視船と中国漁船の衝突事件について意見交換した上で、対中関係について注視し、今後、緊密に連携していくことで一致した。
尖閣諸島沖での衝突事件をめぐり日中間の緊張が高まる中、事件は菅首相とオバマ大統領との会談でもテーマの一つとして取り上げられた。
オバマ大統領「いろいろ浮上するかもしれない地域的な緊張や問題点についても議論したい」
菅首相「これから(新内閣の)仲間と日米関係やいろいろな問題に取り組めると思います」
会談では日米同盟の深化などについて話し合ったほか、尖閣諸島沖での衝突事件について両首脳で意見交換を行った。その上で、対中関係については関心を持って互いが注視し、今後、緊密に連携していくことで一致した。
また、普天間基地移設問題については、菅首相が「日米合意を踏まえてやっていきたい」と表明し、「沖縄の難しい課題もあるので、より一層の理解を得るため、沖縄の負担軽減にも努力したい」と述べた。これに対し、オバマ大統領は「難しい課題があることは理解している」と発言し、普天間問題をめぐる日本の現状について、一定の理解を示したという。
尖閣諸島沖での衝突事件については、日米首脳会談に先立つ外相会談でも大きなテーマとなり、クリントン国務長官は「尖閣諸島は日米安保条約の適用対象になる」と指摘し、アメリカにとって防衛義務があるとの見解を表明した。
衝突事件をめぐり日米間の意見交換が進む一方で、日本と中国の解決に向けた話し合いのメドは全く立っていない。