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活動家に平和賞、中国が反発「冒とくだ」

2010年10月8日 23:59

 今年のノーベル平和賞に、中国の民主活動家・劉暁波氏(54)が選ばれた。劉氏は共産党一党独裁の廃止を訴えて有罪判決を受け、服役中の身で、中国政府は受賞に強く反発している。

 ノルウェーのノーベル賞委員会は、劉氏の受賞理由について、中国での基本的人権のための長く平和的な戦いを評価するとしている。劉氏は、89年の天安門事件に民主化運動のリーダーの一人として参加。事件が武力弾圧されると投獄されるが、釈放後も国内にとどまり、民主化を訴え続けた。08年に自らが中心となって共産党一党独裁の廃止を求める声明「08憲章」を発表、09年に国家政権転覆扇動罪で起訴され、懲役11年の判決を受けて、服役中。

 劉氏の受賞について、中国外務省は受賞から約1時間後に談話を発表し、「劉氏は中国の法律に違反し、判決を受けた犯罪者であり、こういう人物に賞を与えることはノーベル平和賞の趣旨に背くもので、平和賞への冒とくだ」と強く反発した。その上で「ノーベル賞委員会が平和賞を劉氏に与えたことは、中国とノルウェーの関係に損害を与える」と警告した。