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作業員“人生急変”、大統領は支持率急上昇

2010年10月14日 18:36

 チリの鉱山落盤事故で地下に閉じこめられていた作業員33人は日本時間14日午前、全員が救出された。33人はヘリコプターで救出現場から約50キロ離れた病院に運ばれ、検査を受けている。

 病院側の説明によると、治療が必要なのは7人で、このうち足にケガをした男性、目を患っている男性、持病があって肺炎にかかっている男性の計3人はしばらく入院するという。それ以外の人は健康で、早ければまもなく家族と共に自宅に帰ることができる見通し。

 今回の救出劇で、33人はチリの国民からだけでなく世界から注目された。今回の体験を映画化する話やテレビ局からの出演依頼、自伝の出版などいくつものオファーがあるようで、作業員の年収に相当する出演料がオファーされているとの報道もある。プライバシーについてもメディアが詳細に報じるなど、事件発生から救出までのこの70日間の前と後で33人の人生は大きく変わったといえる。病院に運ばれる際も、多くの市民が沿道に出て迎えた。

 救出現場で常に前面に出ていたピニェラ大統領は、落盤事故前と比べて支持率が10ポイント上がった。ピニェラ大統領と作業員が抱き合う場面などが、何度も放映された。救出活動を政治的に利用して自らの政権浮揚につなげたとの指摘もある。