韓国軍が最大規模の訓練、その狙いとは
北朝鮮が韓国・延坪島を砲撃してから1か月がたった23日、韓国軍は軍事境界線の近くで最大規模の訓練を行った。その狙いについて、ソウル支局・大滝公成記者が解説する。
狙いは北朝鮮に圧倒的な火力を見せつけることだが、もう一つの狙いは、訓練の様子を市民ら約2000人に公開することだった。延坪島砲撃で、軍は「対応が遅れた」と非難され、信頼は大きく揺らいだ。軍の力強い姿を見せることで、北朝鮮の新たな挑発にもしっかり対応できるとアピールした形。
李明博大統領も対決姿勢を鮮明にしていて、小雪が舞う中、軍事境界線のすぐ近くにいる部隊の元に足を運んだ。この場所は、250キロある軍事境界線の中で最も南北の距離が近いところで、北朝鮮までの距離は約700メートルしかない。李大統領にしてみれば、危険な場所に自らの身をさらして断固たる姿勢を示したというわけだ。
北朝鮮は、ウラン濃縮施設への訪問を認める考えを示すなど、アメリカに対話の誘いを投げかけている。李政権としては、まずは緩んだ足元を締め直し、北朝鮮につけこまれない態勢を整えようとしている。